私は山九株式会社にて石油石化プラントにおける圧力容器の機器設計業務に従事しています。圧力容器とは主に金属材料で作られた容器で、内側の圧力が大気圧を超えるものを言い、その性質上運転中における圧力及び温度が高いことから厳しい法規制を受けています。
　具体的な業務としては、お客様(石油石化メーカー)にてプロセスの計算を行い、その結果を元に圧力容器の仕様がイメージとして浮かび上がってきます。私たちはそのイメージを具現化することを仕事としており、その中で私は圧力容器設計技術者として、各種法規に沿った強度計算や図面の作成を行うことで、国内外を問わず、各石油石化メーカーが所有するプラントの建設、補修工事に携わっています。

　圧力容器とはその設計条件や用途により様々な形状がある為、設計の際は基本的に一品一様となります。その為、自分が設計を行った圧力容器に対しては少なからず思い入れがあります。
　私の職場には、設計業務を行っている事務所の隣に圧力容器の製作工場が併設されています。その為、自分が設計した圧力容器が出来る様を近くで見ることができ、それが実物として完成した時はやりがいやよろこびを感じます。
　また、私は以前から海外で仕事をしてみたいという希望もあり、実際に海外へ出張に行き、業務を行う機会がありました。その時は、設計者としてではなく、工事監督として業務を行ったのですが、外国人との言語の違いや、風土・風習の違いがあり、業務を行う上で大変苦労しましたが、その困難な状況の中で一つの工事を完遂できたことはその後の大きな自信に繋がりました。

　社会人になって必要になるスキルは何も学業だけで得られるとは限りません。特にコミュニケーション能力や工程管理能力等は遊びやバイトの中の方が磨かれる機会が多いと思います。幸いにも大学在学中は自分の自由な時間というものが取りやすいかと思います。その時間を使って沢山のことにチャレンジしてみて下さい。失敗してもいいです。それも経験となり、自分の糧となります。様々な面から大学生活を満喫して下さい！