近年我が国においては、大規模な自然災害が頻発しているが、特に、平成 30 年 7 月豪雨災害は、広島県を中心に中国地方に甚大な被害をもたらした。この災害は土石流、斜面・山腹崩壊などによる土砂災害と洪水および内水氾濫によるものが複合的に 発生し、広範囲にわたって被害をもたらした「相乗型豪雨災害」であり、これまでの豪雨災害の 防災・減災システムの弱点・限界を浮き彫りにしたといえる。
本学ではこれまで、広島大学災害軽減プロジェクト研究センター(~2021 年 3 月)を設置し、 研究者の情報の共有化などで地域防災ネットワークの整備を進め、 また、発災直後の平成30年 7 月 11 日には、記録的豪雨による被災状況の調査・分析と復興まちづくりの提言等を行い、自治体の災害対応や地域の復興促進へ貢献することを目的として、広島大学平成 3 0 年 7 月豪雨災害調査団を結成し、学内の防災研究分野の専門家の明確化と研究者同士のネット ワークの拡充を開始したところである。
今後、さらに本学が防災・減災における研究を進め、災害軽減などでより実践的に社会貢献していくためには相乗型豪雨災害を中心テーマとした世界レベルの研究拠点の構築が重要である。そうした背景から恒常的な組織として、本センターを立ち上げたものである。
(出典:国土交通省(平成14年度)をもとに作成)
都道府県別土砂災害危険箇所数
(出典:国土交通省(平成14年)をもとに作成)
土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域の重複