近年我が国においては、東日本大震災や熊本地震、九州北部豪雨、広島県内での平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害など、大規模な自然災害が頻発している。
また、平成30年7月豪雨災害は、広島県を中心に中国地方に甚大な被害をもたらした。この災害は土石流、斜面・山腹崩壊などによる土砂災害と洪水および内水氾濫によるものが複合的に発生し、広範囲にわたって被害をもたらした「相乗型豪雨災害※」であり、これまでの豪雨災害の防災・減災システムの弱点・限界を浮き彫りにしたといえる。
このたびの経験を踏まえて、従来の防災学・減災学では対応できない豪雨災害などに対応するための新たな学際的研究集団組織として「広島大学防災・減災研究センター(HRRC)」を設置し、相乗型豪雨災害を中心テーマとした世界レベルの研究拠点を構築する。
さらに、国内外の有力研究機関とネットワークを形成し、災害科学に関する最先端の学際研究を展開する。
平成30年7月豪雨災害
※ここで相乗型豪雨災害とは、土石流や洪水氾濫などの複合的な要因によるインフラ、経済、人的被害が相互に影響することで被害が拡大する豪雨災害を意味する。