医学科で学べること

6年間におよぶ学びの中で、知識・技術・人格を磨いて医療の現場を目指す

医学科は、医師・医学研究者になるための6年制のコースです。1年次は、主に教養教育科目を学びますが、並行して一部の専門科目も1年次のうちから始まります。専門教育は、文部科学省が定めた医学教育モデル・コア・カリキュラムに基づいて行われます。2年次からはほぼすべてが医学専門科目となり、人体の構造と機能などを学び、人体の解剖実習も行います。同時にテュートリアル教育も始まります。3年次からは、臓器ごとの病態やその制御法、全身性疾患の制御、症候に応じた診断・治療、疾病と社会との関わりなどを学びます。4年次には、各研究室に配属され、医学研究実習を行います。その後、臨床実習への参加資格の有無を判定するために、医学的知識と診察技能のレベルを判定する共用試験を受けます。これに合格すると、4年次後半からは、全診療科目について大学病院や学外医療施設で、実際に患者さんを診療しながら学ぶ臨床実習を行います。そして、6年生の全課程を修了後に、医師国家試験受験資格を得られ、合格すると医籍登録され、医師としての資格が認められます。卒業後は引き続き2年間の臨床研修を受けますが、その後の進路には、医療の最前線で活躍する臨床医、教育研究機関における研究医、福祉医療を指導する医療行政官、大学院進学などがあります。

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カリキュラム PICK UP

手術見学

4年次になると、臨床実習が始まります。臨床実習では、実習入門プログラムで患者への接し方、基本的診察技能などを学んだ後、少人数のグループごとに臨床各科を回ります。外科系診療科では、スタッフと同様に手洗い(手指の医学的な消毒)をして、手術室に入ります。手術の実際を眼で見て、手で触り、学びます。

救急車同乗実習

4年次からの救急部での臨床実習では、広島市消防局の協力のもと、学生の救急車同乗実習を行っています。疾病やけがなどの発生現場から搬送先の医療機関まで、救急隊員の乗務する救急車に同乗し、救急疾患の対応や、救急医療システムとその実際を、肌で学ぶことを目的としています。

ウイルス学

2年次では本格的な基礎医学の勉強が始まり、正常な人体の形としくみを学びます。「生体反応学」では、細菌学、ウイルス学、薬理学、免疫学を学びます。

放射線診断

4年次から6年次の放射線診断科の臨床実習では、指導医とディスカッションしながら実際の症例の胸部X線写真、CT、MRI、PET画像などの読影を実践的に学びます。

医学研究実習

4年次には学内の研究室(一部は国内外の医療・研究機関)へ配属され4カ月間の研究実習に取り組みます。研究実習終了後にはポスター発表会が開催され、優秀者は表彰されます。

取得可能免許・資格

医師国家試験受験資格

学生の声

美野 正彰さん(医学科 6年次生(平成30年度))

臨床、研究、グローバル化がキーワード

広島大学では臨床教育のほか、医学研究実習というプログラムがあります。
学生のうちから最先端の研究に触れることで臨床とは異なる視点で医療を眺めることができ、とても勉強になります。また、最近は留学生との交流など英語に触れる機会も増え、大学内のグローバル化も進んでいます。

佐藤 祐さん(医学科 6年次生(令和2年度))

臨床の場で学びを深める

現在は広島大学病院の各診療科で、これまでの学びを生かして患者さんに向き合っています。臨床の場では、勉強通りではない状況に遭遇することも多く、日々経験を重ねて理解を深めようと努めています。

吉田 真理さん(医学科 5年次生(令和3年度))

努力を積み重ねられる環境に感謝

広島大学では医療現場の第1線で活躍する先生方の講義を受け、最先端の知見に触れることができます。医学の世界はまだ解明されていないことが多いですが、将来はそんな謎に挑戦し、医療現場をリードする存在になりたいです。


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