【2018/12/18開催報告】第66回コンソーシアム人材セミナー「研究者から学術論文誌編集者へ(シュプリンガー・ネイチャー)」を開催しました

 平成30年12月18日(火) 、第66回コンソーシアム人材セミナー「研究者から学術論文誌編集者へ / Nature Photonics誌 堀内 典明 氏による講演」を開催しました(参加者49名)。

概要

本講演は、Nature Photonics誌 編集者 堀内 典明さんを講師として、「研究者から学術論文誌編集者へ」と題して行われました。堀内さんは、平成7年に早稲田大学大学院博士課程を修了されました。博士課程においては、パリ第6大学鉱物結晶学研究所にフランス政府給費留学生としての留学、早稲田大学理工総研の助手といった経験をされました。その後、フランスのグルノーブル大学物理学科へ留学し、理学博士号を取得した後、研究者としてのキャリアをスタートされました。豊田工業大学のPhD研究員や、理化学研究所の研究員といった経歴を経て、現在、Nature Photonics誌の編集者として、研究論文の選定・編集に従事されています。

2007年1月に創刊したNature Photonics誌では、光学技術とオプトエレクトロニクスの全領域における最高品質の研究論文を募集しており、それに加えて、この研究分野に関するニュース、レビュー論文やCommentaryを提供しています。本誌は、大学や企業を拠点としてフォトニクスやオプトエレクトロニクスの研究を進める化学者、物理学者、材料科学者やエンジニアにとっての唯一無二の情報源ともいえます。

堀内さんは、本講演の前半ではNature Photonics誌の編集者になるまでの経験、自分の考えや行動を講演していただきました。特に就職について、「直ぐに結果を求めない。長期的な視野で行動する。」「窮地に追い込まれても諦めない(天は自ら助くる者を助く。)。」「自分が出来ること(社会貢献)、好きなこと(働きがい)、生活(お金、時間、健康、etc.)のバランスを考える。」といったアドバイスをいただきました。

後半では編集者の仕事や、Nature関連誌の階層・採択基準など講演していただきました。その中で、Nature関連誌採択基準に関して、具体的な投稿論文のアブストのデータを用いて、受講生たちを小グループに分けて意見交換が行われました。複数の意見が受講生より発表された後、堀内さんからデータの不足点や良い点を教えていただきました。

受講生へのメッセージとして、「Nature関連誌の採択基準に満たなくても、社会に役立つ科学はたくさんあります。」「科学に対する探究心、好奇心を大切にしてください。」「困難を乗り越える行動力、成功へ導くアイディアの引き出しを身につけてください。」などを話していただきました。

参加した学生から、講演やディスカッションの内容に対する感想、印象に残ったことなど(一部)

  • 自分のやりたい研究を諦めずにやっていくことは大事だと思いました。(理学研究科 女性)
  • 堀内様の詳しい経歴を聞くことができて、色々な経験、知識が今の仕事につながっているんだなと感じました。(理学研究科 女性)
  • 博士課程を修了した後、学術雑誌の編集者となられるという道を歩むこともできるのだと分かり良いお話を聞けました。(生物圏科学研究科 男性)
  • 学術誌の編集者の仕事が何をしているのかを知ることができたのと同時に各雑誌ごとの特徴を理解した上で編集者の仕事をしなければならないことが特に印象に残りました。(生物圏科学研究科 男性)
  • Natureの採択基準の意味が理解でき勉強になった。本日伺った研究者には様々な道があって、その中で自分が進むべき道をみつけるために何を基準に考える事が大切なのかをこれからを進路を決める際に活かしていきたい。(生物圏科学研究科 女性)
  • 論文の書き方について大変勉強になった。編集者の方々の日頃の勉強量が膨大なのではないかと思った。(生物圏科学研究科 男性)
  • 演習があったのは良かった。(理学研究科 男性)


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