創薬標的分子科学

野村 渉 教授

【研究キーワード】
ゲノム編集技術、転写制御、ケミカルバイオロジー、化合物スクリーニング、タンパク質工学、分子進化、Bioluminescence Resonance Energy Transfer (BRET)、DNA組換え、DNAメチル化、細胞内情報伝達

【最近のハイライト】
「創薬標的分子科学研究室」は2019年4月1日より立ち上がった新しい研究室です。ゲノム編集技術は医療や創薬、育種などさまざまな分野に応用が期待されている最新の技術です。我々のグループではさらにその先を行く技術、知見を見出す取り組みとゲノム編集技術から派生する遺伝子機能、細胞機能の制御を目指した取り組みを行っています。その一例として、化合物を利用した遺伝子発現制御技術を拡張し、異なる遺伝子を同一細胞内で異なるタイミングで制御できることを示しました(Nomura W. et al Biochemistry 2019)。またゲノム編集技術で特に問題となるオフターゲット作用(標的以外の遺伝子を改変してしまう現象)を効果的に抑制する技術も見出しています。

研究者総覧へのリンク

教育内容
学部教育では「生化学III」「生化学 IV」「生理化学」「生化学実習」「卒業実習」を担当します。「生化学III」と「生化学 IV」では糖質と脂質の構造・代謝・生体内における役割に関する講義を行います。「生化学実習」では酵素反応の速度を測定し、この速度に変化を与える薬物の作用機構を解析する実習を行います。「卒業実習」では別項に示す研究内容から設定した各自のテーマに取り組み、実験・研究の方法論や基礎的な生化学・細胞生物学・分子生物学実験技術を学ぶことから始め、最新の知見を得るための道筋の立て方を学び、その実践を行います。

研究内容
1.DNA組換え酵素を利用するゲノム編集技術に関する研究
2.ゲノム編集技術におけるオフターゲット作用抑制手法に関する研究
3.DNAメチル化によるエピゲノム編集技術に関する研究
4.人工転写因子による遺伝子機能制御に関する研究
5.タンパク質工学、ゲノム編集技術に基づくケミカルバイオロジー研究
6.蛍光バイオイメージング技術を利用した細胞内タンパク質可視化法に関する研究
7.BRETを利用した創薬候補化合物スクリーニング方法に関する研究
8.イノシトールリン脂質によって制御される細胞内情報伝達経路の解析
9.イノシトールリン脂質によって制御される細胞内小胞輸送の解析
10.がん細胞における代謝変化に関する研究

 


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