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[研究成果]アントシアニン色素蓄積を制御する転写因子の機能が植物間で保存されていることを証明



広島大学大学院生物圏科学研究科冨永 るみ講師らの研究グループは、シロイヌナズナ(アブラナ科のモデル植物)の表皮細胞(植物の一番外側の細胞層)形成に関わる2種類の転写因子(特定の遺伝子群の発現開始を制御する重要な制御タンパク質)をトマトに遺伝子導入し、2つの転写因子がトマト内でも同様の機能を発揮し、アントシアニンの蓄積に影響を及ぼすことを明らかにしました。

この発見で、アブラナ科のシロイヌナズナとナス科のトマトで、アントシアニン蓄積が共通の遺伝子機能により制御されていることを明らかにしました。一方、トマトの根毛やトライコーム(葉の表面に生える毛)の形成は、シロイヌナズナの遺伝子導入では変化しなかったことから、異なる制御機構があることがわかりました。

今後は、表皮細胞分化およびアントシアニン蓄積を制御するメカニズムの植物種による違いを明らかにし、進化的に検証する予定です。また、本研究の成果は、アントシアニンをはじめとする有用物質の産生向上や観葉植物の作出にも将来役立つと期待されます。

本研究成果は、米国の科学誌「PLoS ONE」に、平成26年10月1日(日本時間)に掲載されました。本論文はオープンアクセス出版であり、インターネット上で無料で閲覧出来ます。

【発表論文】

著者

Takuji Wada, Asuka Kunihiro and Rumi Tominaga-Wada

論文題目

"Arabidopsis CAPRICE (MYB) and GLABRA3 (bHLH) Control Tomato (Solanum lycopersicum) Anthocyanin Biosynthesis"

【お問い合せ先】

広島大学 大学院生物圏科学研究科

講師 冨永 るみ (トミナガ ルミ)

Tel&FAX:082-424-7966

E-mail:rtomi*hiroshima-u.ac.jp (*は@に置き換えて送信して下さい)

研究室HP:http://home.hiroshima-u.ac.jp/shokkan/


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