学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
(医歯科学コース)修士(医科学)、修士(歯科学)または修士(学術)
- 基礎医学・歯学研究の基盤となる知識を身につけている。
- 社会における基礎医学、歯学研究の役割を理解している
- 基礎医学・歯学研究の応用と実践を理解している。
- 教育研究機関において、基礎医学・歯学研究を推進できる能力を身につけている。
- バイオテクノロジー、医療等に関係する企業等において研究開発又は医療関係業務に携わるために必要な能力を身につけている。
(医学物理士コース)修士(医科学)
- 医学物理士認定試験の受験資格を得るために必要な知識・能力を身につけている。
(公衆衛生学コース)修士(公衆衛生学)
- 医療、保健、福祉、医療行政、臨床研究の現場で臨床研究・疫学調査研究を行う能力を身につけている。
- 医療、保健、福祉、医療行政、臨床研究の現場で科学的根拠に基づく医療(EBM:Evidence-Based Medicine)を実施できる能力を身につけている。
- 医療行政の現場で政策の企画立案を担う能力を身につけている。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
(医歯科学コース)
- カリキュラムは、講義、演習・実習、特別研究から構成される。
- 基礎医学・歯学科目の履修により、医学、歯学研究の基盤となる知識を修得する。
- 生命・医療倫理学を含む社会医学・歯学科目の履修により、社会における医学、歯学研究の役割を修得する。
- 臨床医学・歯学科目の履修により、医学・歯学研究の応用と実践を理解する。
- 修得した1から3の知識・能力を活用して、教育研究機関において、基礎医学・歯学研究を推進できる能力を修得する。
- 修得した1から3の知識・能力を活用して、企業等において研究開発や医療関係業務に携わることができる能力を修得する。
(医学物理士コース)
- カリキュラムは、講義、演習・実習、特別研究から構成される。
- 診療放射線技師有資格者及び理工系出身者に対応したカリキュラムから構成される。
- 医学物理士認定機構の教育コース認定要件を満たす科目の履修により、医学物理士認定試験の受験資格を得るために必要な知識・能力を修得する。
(公衆衛生学コース)
- カリキュラムは、講義、演習・実習、特別研究から構成される。
- カリキュラムは、公衆衛生大学院の国際基準として設定された1.疫学 2.生物統計学 3.社会科学・行動科学 4.保健行政・医療管理学 5.国際保健・環境保健学の5分野から構成される。
- 2の5分野の教育を基礎から体系的に享受することにより、臨床研究・疫学調査研究を行う能力、科学的根拠に基づく医療(EBM: Evidence-Based Medicine)を実施できる能力、医療行政の現場で政策の企画立案を担う能力を修得する。
入学者受入れの方針(アドミッションポリシー)
1 求める学生像
医歯科学専攻のディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーを踏まえ、次のような学生を求めています。
(全コース共通)
- 問題解決能力を涵養し、独創性、未来志向性を醸成したい人
- 医歯薬学専攻(博士課程)への進学を目指している人
- 医療系でのキャリアアップを図り、医学医療に貢献したい人
(医歯科学コース)
- 生命医科学、医学・歯学における幅広い知識を身につけたい人
- 生命医科学、医学・歯学において基礎的・応用的研究に取り組みたい人
- 教育研究機関において、基礎医学・歯学研究を推進したい人
- バイオテクノロジー、医療等に関係する企業等において研究開発又は医療関係業務に携わりたい人
(医学物理士コース)
- 医学物理学における幅広い知識を身につけたい人
- 医学物理学において基礎的・臨床的研究に取り組みたい人
- 医学物理士を目指す人
(公衆衛生学コース)
- 疫学、生物統計学における幅広い知識を身につけたい人
- 疫学、生物統計学において基礎的・応用的研究に取り組みたい人
- 公衆衛生学修士(MPH)の取得を目指す人
2 入学者選抜の基本方針
【一般選抜】
学部段階の専門的知識及び語学力を修得していることを確認し、本専攻のカリキュラム・ポリシーに適応可能な能力を見るために、筆記試験(外国語)により、英語論文の抄読及び執筆に必要な基礎的英語力を、また、志望理由書に基づく口述試験により、研究への適性、研究意欲などを総合的に評価します。
【社会人特別選抜】
学部段階相当の専門的知識及び語学力を修得していることを確認し、本専攻のカリキュラム・ポリシーに適応可能な能力を見るために、筆記試験(外国語)により、英語論文の抄読及び執筆に必要な基礎的英語力を、また、志望理由書に基づく口述試験により、研究への適性、研究意欲などを総合的に評価します。
【外国人特別選抜】
学部段階相当の専門的知識及び語学力を修得していることを確認し、本専攻のカリキュラム・ポリシーに適応可能な能力を見るために、筆記試験(外国語)により、英語論文の抄読及び執筆に必要な基礎的英語力を、また、志望理由書に基づく口述試験により、研究への適性、研究意欲などを総合的に評価します。
教育・研究上の目的
医歯科学コース
教育・研究機関において医学・歯学の学際領域における基礎的・応用的研究の推進に貢献しうる人材及びバイオテクノロジー、医療、製薬等に関する企業等において研究開発又は医療関係業務に関わる人材を養成することを目的としています。
医学物理士コース
医学物理学分野の高度専門職業人として活躍できる人材、医学物理学の確立と普及を担う教育者・研究者並びに医学物理学分野で国際的に活躍できる人材を養成することを目的としています。
公衆衛生学コース
科学的根拠に基づく医療(EBM:Evidence-Based Medicine)を実施できる能力を有する医療従事者や公衆衛生行政の担当者、及び、研究方法や評価において専門的な知識・技能を修得し、臨床、保健、医療行政の課題解決に取り組む人材の養成を目的としています。
コース紹介
医歯科学コース
生命科学研究の飛躍的な進歩が、医学・医療及び歯学・歯科医療を大きく変貌させつつあります。例えば、遺伝子診断に基づくテーラーメイド医療、再生医療、ゲノム創薬、メディカルエレクトロニクス等の実用化により現代の医療課題解決への期待が大きくなっています。同時に、少子・高齢化に伴う疾病構造の変化や、医療倫理問題、患者の生活の質の改善、福祉工学との連携等、複雑な課題が増加しています。医師と歯科医師のみではこのように急速に拡大する医歯学領域に対応することは困難であり、多様な専門的背景を持つ人材の学際的活躍が求められています。
本修士課程は、医学部、歯学部及び獣医学部以外の4年制学部等で専門知識や技能を修得した学生を受け入れ、医学や歯学、生命科学に関する基礎的知識の体系的かつ集中的教育を行い、医学や歯学、生命科学における先端的・学際的な研究推進に貢献しうる人材を養成することを目的とします。さらに、医療、製薬、医用工学等の関連分野において、高度の専門的な学識をもって活躍できる人材の養成を目的とします。
研究内容により、修士(医科学)、修士(歯科学)、修士(学術)のいずれかの学位を取得できます。
医学物理士コース
医学物理士とは、放射線を用いた医療が適切に実施されるよう、医学物理学の専門家としての観点から貢献する職種であり、近年の社会的な背景により、大学院での人材養成が求められています。
広島大学では、平成24年4月から大学院医歯薬保健学研究科医歯科学専攻(修士課程)に医学物理士コースを開設し、医学物理士となるために必要な教育を実施しています。
この医学物理士コースでは、(財)医学物理士認定機構が定める放射線治療分野の医学物理教育カリキュラムガイドラインに提示されたガイドラインに基づいて編成したカリキュラムを履修することになり、修士課程修了時には修士(医科学)の学位が取得できます。
なお、医学物理士として認定を受けるためには、(財)医学物理士認定機構が定める所定の研修を行い、認定試験に合格する必要があります。
また、(財)医学物理士認定機構では、大学院課程における放射線治療分野の医学物理教育コースを認定する作業を開始しており、これに認定されることで修了学生は医学物理士認定試験の受験資格条件の一部を満たすこととなります。
広島大学大学院医歯薬保健学研究科医歯科学専攻(修士課程)医学物理士コースでは、(財)医学物理士認定機構の平成26年度医学物理教育コース認定において、所定の資格基準を満たしていることが認められ認定証が授与されています。
公衆衛生学コース
超高齢化社会及び超少子化社会の進展に伴う疾病構造の変化及びグローバル化の中で、医療、保健、福祉、医療行政などの現場においては、課題解決のための臨床研究・疫学調査研究の能力を有する人材、及び科学的根拠に基づく医療(EBM:Evidence-Based Medicine)を実行できる医療従事者や政策の企画立案を担う公衆衛生行政担当者が必要とされ、特に、疫学・生物統計学を含む公衆衛生学の専門的知識を身につけた者が求められています。
広島大学では、平成27年4月から大学院医歯薬保健学研究科医歯科学専攻(修士課程)に公衆衛生学コースを開設し、公衆衛生大学院の国際基準である「1 疫学(Epidemiology)、2 生物統計学(Biostatistics)、3 社会科学・行動科学(Social and Behavioral Sciences)、4 保健行政・医療管理学(Health Service Administration)、5 国際保健・環境保健学(Environmental Health Sciences)」の5分野の教育を体系的に行い、レギュラトリーサイエンスの概念(科学技術の成果を人と社会に役立てることを目的に、根拠に基づく的確な予測、評価、判断を行い、科学技術の成果を人と社会との調和の上で最も望ましい姿に調整するための科学)を理解したうえで、診療、臨床研究、保健施策、保健指導、医療及び国際保健医療等の場において適切にかつ効果的に実践できる人材を養成します。
また、この5分野において必修科目・選択科目を設定した教育課程とすることで、集団を対象とした健康・疾病の状況を把握・評価する手法である疫学・生物統計学に加え、保健統計、健康政策、研究方法論及び研究倫理、臨床疫学、臨床法医学、保健行政、医療管理、国際保健や環境保健など幅広い分野の科目履修が可能となります。修了者には修士(公衆衛生学)(英文名:Master of Public Health)の学位が授与されます。