文学部長メッセージ

広島大学文学部で「人間と平和」をともに問い、新しい人文学を拓こう

文学部長 今林 修

文学部長 今林 修 (英語学)

「人間とは何か」との問いに答えることができますか?

 私たちは人間でありながら、「人間とは何か」という問いに明確な答えを示すことは容易ではありません。本学文学部では、6つのコースがそれぞれの専門性を生かし、16の視座からこの根源的な問いに向き合っています。哲学・思想文化学、歴史学、日本・中国文学語学、欧米文学語学・言語学の各コースでは、思想や言語、文学、歴史といった人間の心や表現の営みを探究します。地理学・考古学・文化財学コースでは、人間を取り巻く環境や遺構、美術などを対象に、人間存在の具体的な営みを明らかにします。いずれのコースでも、文献を丁寧に読み、実際に現地で調査する学びを重ねながら、人間という存在を多角的に考えています。これまでみなさんが学んできた教科の知識も、ここで有機的に結び付いていきます。文学部での学びは、それらを統合し、「人間とは何か」を自らの問いとして捉え直す営みです。6つのコースのいずれかで、この問いに主体的に挑戦してくださることを心より期待しています。

「平和とは何か」について考えたことがありますか?

 広島大学文学部の源流の一つは、旧制広島文理科大学にあります。1945年8月6日、世界で初めて原子爆弾の被害を受けた文学部として、未曾有の経験を刻みました。廃墟と混乱のなかから、人文学の立場で「平和とは何か」を問い続け、教育・研究を積み重ねてきた歴史があります。入学直後の初年次「教養ゼミ」では被爆体験講話を実施し、本学の理念である「平和を希求する精神」を、自らの課題として考える機会を大切にしています。さらに6つのコースが、哲学、倫理学、思想文化学、仏教学、歴史学、文学語学、言語学、地理学、考古学、文化財学など多様な専門的視点から、「平和」を多角的かつ学際的に探究します。被爆を経験した文学部だからこそ可能な学びの場で、「平和」についてともに深く考えてみませんか。みなさんとじっくり思索を重ねられる日を、心より楽しみにしています。


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