人類の教育者と呼ばれたH・ペスタロッチーを記念する教育賞の第15回受賞者に、
津守 眞(つもり まこと)氏が選ばれ、11月27日(月)午後1時から教育学研究科
大講義室において、350人余の参加者が集まる中、表彰式並びに記念講演が行われました。
お茶の水女子大学名誉教授であり、保育学会会長も務められた津守氏は、心理学者として
「乳幼児精神発達診断法」を開発されるとともに、戦後直後から社会福祉法人恩賜財団
母子愛育会愛育研究所において、発達に遅れをもつ幼児の保育に携わられてこられました。
牟田泰三学長(実行委員長)から、子どもと人格的関わりをもって同じ時間を過ごす
ことの大切さを説く津守氏の主張は、今日注目を集めている反省的実践家の理論や
インクルージョンの理論を先取りするものであること、そして、子どもを信頼し
子どもの興味と要求に応えようとする実践者としての氏のお姿が今なお多くのひとびとに
影響を与え続けていることが紹介され、表彰状、ペスタロッチー胸像並びに副賞が贈呈されました。
つづいて受賞記念講演が行われ、氏はこれまでのご自身の保育実践を振り返られながら、
次のようにお話されました。
「子どもは大人それぞれに違う面を見せるものであるから、保育者同士が子ども理解のために
話し合いの時間をもつべきである。実習生は教育の対象ではなく子ども理解に向けて
意見を交換し合う仲間である。障害(障碍)のある子どもであっても高まろうとする
意志がある。難解だから理解できないだろうと大人が考えるようなことにも反応を示す。
それゆえ、まず子どもを信じるべきである。」
氏はこのように説かれ、一人ひとりの子どもを理解し信頼することの大切さを訴えられました。
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