【成果報告】第24回広島大学心理臨床セミナーを開催しました

今日,社会のさまざまな場面で,その当事者が自らの「体験」を語ることが,心の安定や健康,辛い体験からの回復にとって大きな意味があること,また当事者の体験の語りを聴くことが,心理的支援に役立つことが注目されています。災害被災者支援,犯罪被害者支援,終末期緩和ケア,自助グループやさまざまな継承活動など,当事者の「体験の語り」を聴くことによる心理臨床活動や社会支援活動もさかんに行なわれるようになりました。

心理臨床家や対人援助専門職,さまざまな支援者にとって,来談者や当事者の「体験」をどう理解し支えるかという問題は,心理臨床活動の最も基本的な課題です。また,来談者の体験をどう聴きとらえるかは,臨床心理士にとって最も基本的な仕事です。体験の語りを通じて複数の出来事がつながり, まとまりをもち,その意味が見出されていく営みは「ナラティヴ・アプローチ」と呼ばれ,さまざまな心理臨床場面に応用されています。

第24回広島大学心理臨床セミナーは,この問題をテーマに,「ナラティヴ・アプローチ」の心理臨床と研究の第一線でご活躍の3名の講師を迎えて下記のように開催されました。

 日時: 2017年12月9日 10:20-16:30
 場所: 広島大学東千田未来創生センター M401・M402講義室
 主催: 広島大学大学院教育学研究科附属心理臨床教育研究センター
 講師と演題:
  ・森岡正芳(立命館大学総合心理学部 教授)
    ナラティヴが必要な時―臨床実践と研究で―
  ・井川ひとみ(前 香川大学教育学部准教授・香川大学病院 臨床心理士)
    親子の出会いの危機を支える―周産期心理臨床の現場から―
  ・川島大輔(中京大学心理学部 准教授)
    「死」を語り合うこと―ナラティヴ・アプローチからの試論―
 企画・司会: 岡本祐子 (広島大学大学院教育学研究科 教授)

講演後,参加者を交えて熱心な討論が行われました。広島県内を中心に中国・四国・九州から,臨床心理士,メンタルヘルス担当者,教員,一般方々,162名の参加者がありました。参加者からは,心理臨床の基本に立ち返るとともに,現場のリアリティを学ぶことができたとの感想が寄せられ,好評でした。

講演の様子

参加者を交えた熱心な討論

【問い合わせ先】
広島大学大学院教育学研究科 心理学講座
教授  岡本祐子

E-Mail:yokamoto(AT)hiroshima-u.ac.jp
※(AT)は@に置き換えてください


up