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【開催報告】【2020.12.11】広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」第59回定例オンラインセミナー「教科教育を謳う2:表記」を開催しました

広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は、2020年12月11日(金)、定例オンラインセミナー講演会No.59「教科教育を謳う2:表記」を開催しました。⼤学院⽣や学校教員など26名の皆様にご参加いただきました。

本セミナー「教科教育を謳う」では、現代的なカリキュラム開発の⽷⼝を⾒出すことを⽬的として、多彩な学的背景を持つ研究者らによって教科教育について語り合います。第二回は「表記」がテーマでした。教科書や資料にある図や表、グラフが表記に当てはまりますが、教科によってかなり独特に使われます。国際比較調査でもreading literacy(読解力)が問われるように、文字以外の表記を読むことは教科の学習にとどまらない大切な能力といえます。

まず主催である影⼭和也准教授(数学教育者)よりセミナーの趣旨と第一回「言語」の振り返りがなされました。次いで第二回の論点を(i)非テキストの読解力の鍵は何か、(ii)教室のメディアにはどのような工夫があるか、の2点に置くことが宣言されました。鍵となるのは、教科教育のジレンマ「わからないとよめない」です。算数科では、数直線が2本並べられた図、数表、変化していく階段状の図などがありますが、これらは「比例」の見方をしなければ意図を汲むことは難しく、思わぬところで学習の妨げにつながっている可能性があるのです。

このような論点の提起の後、関係者間トークのセッションでは、教育心理・認知心理の研究者から表記のタイプが紹介されました。すなわち、装飾・表示・組織・仕組み・言い換えですが、指導上の意図が伝わるように、子どもの状態に応じて複数タイプの表記を組み合わせることが大切だということです。これらのなかには、学び手に対して感情的にポジティブにさせる一方(擬人化されたモノが話すといった具合に)、主題から注意をそらしてしまうこともあり、このせめぎ合いへの配慮は、「学びたいことを学ぶ」という現代的カリキュラムを構想する上で重要な点でしょう。

セミナー中、参加者⽅々からの質問や意見によって、国や教科による教科書の役割や紙面の特徴も話題になりました。教育は意図的取り組みである以上、その一部をなす教科書や資料を比較的・対比的にみることは、指導として意図されている事柄を抽象する上で興味深い方法と言えそうです。

 

影山和也准教授

森田愛子教授

趣旨説明の様子

セミナーの問いが示されました

永田良太教授

松宮奈賀子准教授

金鍾成助教

議論に集中してきく様子(影山和也准教授)

当日の様子はこちらをご覧ください。
セミナーシリーズについてはこちらをご覧ください。

 

【問い合わせ先】

広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI) 事務室

E-Mail:evri-info(AT)hiroshima-u.ac.jp
​※(AT)は@に置き換えてください


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