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【開催報告】【2021.10.20】広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は,東広島市広域交流型オンライン社会科地域学習(消防署)を実施しました。

広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は2021年度から、東広島市教育委員会と連携して、市内複数の小学校をオンラインで結んだ広域交流型オンライン社会科地域学習を開始しました。GIGAスクール構想の推進によって実現した子どもたちの「1人1台」端末と学校のICT環境を活用して、市内各地からの中継を交えながら、東広島市の地理・歴史・政治・経済・文化などについて対話的・双方向的に学びます。さらに、この学びを広島大学の教員と大学院生がコーディネートします。
 
本年度は、2021年6月の試行に基づいて、毎月1回2時間、テーマを決めて授業を行います。この企画が実現することで、小規模校と大規模校の子どもが、年間を通して、各地域のようすを比較したり交流したりしながら学びを深められるように工夫しています。
 
2021年10月20日に,東広島市内小学校10校15学級(吉川,西志和、小谷、高谷西、高美が丘、板城西、上黒瀬、下黒瀬、福富、木谷)の3年生(334名)が参加し,「消防署」をテーマとする授業を実施しました。2時間を通した学習課題は「高屋に新しい消防署ができるらしいよ・・・なぜ?」に設定されました。
 
1時間目は,学校の近くで火事がおきた場合に,消防車は何分でくることができるのかを予想するクイズから始まりました。子ども達はタブレットで時間を予想し,解答しました。答えは平均7分程度で,多くの児童が正解でした。学校によっては10分以上かかっていることを知り,東広島の広さと実感しました。
1時間目の前半では,東広島市の消防署(本署・分署で計6か所)を示した分布図をながめて,消防署が空間的にバランスよく配置されていることを読み取りました。また,各学校周辺を担当している消防署の名前と位置を確認しました。そして空間的にバラツキある消防署の立地には,どこで火事や事故が起きても「すぐに」現場に駆け付ける工夫があることを確かめました。
後半では,東広島市の消防署から本署と分署2つ(東広島消防署・西分署・安芸津分署)を選び,そこの装備を比較する活動を行いました。写真を眺めながら,「本署にはいろいろな消防車がいるが,分署は少ない」傾向を見いだし,「それはなぜか」を予想しました。この予想結果を検証するために3つの消防署を中継でつなぎ,違いの理由を担当者にインタビューしていきました。その結果,①安芸津分署には狭い道でも通り抜けられる小型ポンプ車が配置され,②ビルがあったり高速道路が近い西分署にははしご車はレスキュー車が配置されていること,③東広島市消防署には化学車や特別装備のレスキュー車,指令室などが配置され,市全体の消防を支援していることを知りました。最後に,各地域の特性に応じて車両や装備をカスタマイズすることで,「すぐに」火を消し,人を助けている消防署の工夫をまとめていきました。
 
2時間目は,「すぐに」火を消し,人を助けるために建設が予定されている新しい分署の位置を予想しました。1時間目の地図を用いて,消防車や救急車がすぐにかけつけることのできない地域を確認し,児童は高屋周辺や志和・福富あたりが新分署にふさわしいと予想しました。消防署の人のお話で,近畿大学近くの「高屋」に建設が予定されていること,高屋では人口が多く,高齢化が進んでおり,救急車の出動も多いという事情があることを知りました。また高屋の立地に納得できるかどうかの意思表明を行い,9割の児童がそれを支持していることを確かめました。
最後にこの新しい分署にどんな消防車や救急車を何台配備すべきかを考え,クラス分署に高屋分署計画書を作成しました。多くのクラスは,はしご車を数台,レスキュー車も数台,化学車も数台配備したらいいよ,と提案しましたが,実際はポンプ車・タンク車・救急車1台ずつの配備が予定されていると知り,驚きました。提案に対しては,消防署の方からコメントをいただくこともできました。子どもたちは地域の特性に合わせた提案ができたものの,現実と理想とのギャップをつきつけられた学習ともなりました。
 
2時間の学習を通して,私たちの「命」を守る消防署の工夫を立地と装備の視点から探究し,各校の提案を交流できた貴重な2時間となりました。西分署から中継しているとき救急出動のアナウンスが入り,救急隊が急いで出動する様子を伝える想定外の事態もありました。しかし,消防に携わる人々の緊張に満ちた活動をリアルに理解する機会となりました。ご協力いただいた全ての関係者に御礼を申し上げます。

広島大学で授業を進行する様子(草原教授

はしご車(35m)からの中継する様子(宇ノ木氏)

小さいポンプ車のある安芸津分署からの中継(馬﨑氏)

レスキュー車のある西分署からの中継(正出氏・源城氏・中村氏)

色々な車両が集まる東広島消防署からの中継(江籠氏・宇ノ木氏)

新しい分署の位置を予想する児童

新しい分署におく消防車の台数を提案する児童

児童の作成した高屋分署計画書

※東広島市消防局の馬﨑様,源城様,中村様,江籠様には,氏名と写真の掲載の許可をいただいております。
 
EVRIは,引き続きICTを活用した新しい地域学習のヴィジョンを提案し,それを教育関係機関と連携しながら企画・実施してまいります。
 
当日の様子はこちらをご覧ください。
 
プロジェクト全体についてはこちらをご覧ください。

【問い合わせ先】
広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI) 事務室

E-Mail:evri-info(AT)hiroshima-u.ac.jp
​※(AT)は@に置き換えてください


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