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広島大学教育学部は、2021(令和3)年12月11日(土)に、「2021年度高等学校教員のための指導力向上セミナー」をオンラインで開催しました。
本セミナーの目的は、高等学校教育の現代的課題に取り組むための有益な知見を、教育行政・学校現場・大学のそれぞれの立場から提供し、それを参加者が共有し討議することによって、高等学校関係者にとっての豊かな研修の場を提供することです。
本年度は、『高校教育における「生きる力」の育成』をテーマとし、第Ⅰ部では、「変わる高校教育と入試改革」についての全体講演を行い、引き続き第Ⅱ部では、第1分科会で「高等学校におけるICTの開発と活用」、第2分科会で「『探究』に向かう生徒を育てる教科と総合のカリキュラム改革」に関する分科会を行いました。
全体講演では講師の白井俊氏から、大学入試センター試験と大学入学共通テストの共通点と相違点をおさえた上で、「高大接続改革の理念」、「思考力重視」、「探究」、「良問」のそれぞれについて誤解してはならないことやそれらの本質は何かを考え直すことの重要性、さらには今後取り組むべき課題となる五つの論点を示していただきました。
第1分科会では、高等学校におけるICTの開発と活用についての講義および理科・数学における活用事例報告を通して、「ICTの導入にはどのような意味があり、具体的にはどのように活用していけば良いのか」という問いについて、参加者と一緒に考えることができました。第2分科会では、「探究」を巡る課題に教科と総合のカリキュラム改革からアプローチする高等学校を実践事例として、教科指導の視点から見た「探究」の意義と課題をパネルディスカッション形式で掘り下げ、「探究」に向かう生徒をいかに育てるのかという高校教育の原初的かつ今日的課題に迫ることができました。
【日時】2021(令和3)年12月11日(土) 13時00分~16時00分
【会場】広島大学教育学部(Zoomによるオンライン)
【テーマ】高校教育における「生きる力」の育成
【主催】広島大学教育学部
【共催】広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)・広島大学文学部・広島大学理学部・一般社団法人尚志会
【後援】文部科学省・広島県教育委員会・広島市教育委員会
【内容】
■第Ⅰ部 全体会(13時~14時10分)
開会行事
教育学部長 松見 法男
実行委員長 小山 正孝
実行副委員長 草原 和博
全体講演
講演:「変わる高校教育と入試改革」
文部科学省初等中等教育局 初等中等教育企画課 教育制度改革室長 白井 俊
■第Ⅱ部 分科会(14時30分~16時)
〇第1分科会(ICT):高等学校におけるICTの開発と活用
司会:長松 正康、富川 光
講演:「教科の指導におけるICTの効果的な活用」
広島大学大学院人間社会科学研究科 吉冨 健一
実践報告:
(1)「学習場面に応じたICT活用の実践-主体的で深い学びにつながる授業を目指して-」
広島県立尾道東高等学校 福本 千景
(2)「生徒1人1台の端末環境下における授業実践報告」
広島県立広島高等学校 増永 雄大
〇第2分科会(探究):「探究」に向かう生徒を育てる教科と総合のカリキュラム改革
司会:吉田 成章、川口 広美
基調実践提案:広島県立吉田高等学校 小澤 圭介
パネルディスカッション:
広島県立吉田高等学校 小澤 圭介
広島県立吉田高等学校 久野 士郎
広島県立吉田高等学校 渡邊 奏子
指定討論:広島大学大学院人間社会科学研究科 曽余田 浩史
【参加アンケートの結果】満足度98%
■参加者の声(抜粋)
・探究、良問、思考力等、様々なことを考える際の基礎的部分の理解を深めることができました。
・ICTの具体的な活用方法を知り、自分の教科に生かして行くための方略について考えることができました。
・教科と探究を結びつける視点が得られて、来年からの新学習指導要領の実践の参考になりました。
・タイムリーなテーマを扱っていただき、興味深く感じていました。今後に生かせる部分が多く、参考になりました。