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【開催報告】【2021.11.21】広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は,第98回定例オンラインセミナー「IBに学ぶ探究的な理科の授業づくり」を開催しました。大学院生や学校教員を中心に65名の皆様にご参加いただきました

広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は,2021年11月21日(日)に,第98回定例オンラインセミナー「IBに学ぶ探究的な理科の授業づくり」を開催しました。大学院生や学校教員を中心に65名の皆様にご参加いただきました。
EVRIのIB教育サブユニットでは,これまでに,国際バカロレア(IB)の教育を支える理論,授業実践の具体,IBのもたらすインパクトなどについて理解を深めるセミナーを開催してきました。本セミナーでは,IB教育について学んだことを一般の学校における教育実践へと活かすべく,探究の過程を基盤とした学習活動とその評価,自立的な学習者の育成に焦点を当て,実践報告から示唆を得ることを試みました。
はじめに,三好美織准教授(広島大学)・木下博義准教授(広島大学)より,本セミナーの趣旨が説明されました。高等学校における新学習指導要領の全面実施を来年に控え,探究的な学習活動を基盤とした授業づくりをいかに行っていくのか,生徒の学習活動をみとる観点別評価をどのように実施すればよいのか,といった喫緊の課題や,これからの社会を見通して自立的な学習者を育てるためにどのような教育活動を展開していけばよいのか,といった点について,各登壇者の実践報告をもとに議論を深めていくことが,セミナーの参加者全体で確認されました。
次に,植田悠未氏(高知県立高知国際高等学校)から「高知国際におけるIB教育の実践」と題して発表が行われました。IBカリキュラムを導入している高知国際において,学習活動や評価活動をどのように展開しているのか,IB校の実際の様子を報告いただきました。
それから,西村栄哉氏(筑波大学附属坂戸高等学校)から「探究的な理科授業を支える観点別評価の実際」と題して発表が行われました。生徒の探究的な学びの実現に向けて,学習課題の設定の工夫,評価活動における生徒との情報共有,学校全体として取り組んでいく必要性が示されました。
さらに,髙橋裕氏(広島県立三次中学校・高等学校)から「生徒主体で自走するプロジェクトが生まれるために必要なこと」と題して発表が行われました。中学校2年生でICTを活用し,授業計画を生徒と共有した上で,生徒同士が班で教え合いながら自分たちで学習内容の理解を深めていくスタイルの授業実践について,報告いただきました。
最後に,末谷健志氏(山口県立徳山高等学校)から「IBの学習者像をベースにした授業と科学部運営:よき学習者の育成を目指して」と題して発表が行われました。学校の役割をどのように感じているのか,生徒の声を生で聴くとともに,これまでの教師経験の振り返りから,生徒に他者を意識させ,他者と関わらせる場をつくることで学習者を育てる役割を教師が負っていることが示されました。

IB校の実際の様子の報告(植田氏)

探究的な学びの実現に向けた取り組みの報告(西村氏)

ICTを活用した生徒主体の実践の報告(高橋氏)

他者を意識した学習者を育てる実践の報告(末谷氏)

ウェビナーのQ&A機能を活用して行われた質疑応答では,「主体的に学習に取り組む態度を,実験計画の立案の場面の他に,どのような場面と手段で,教師はみとっていますか」,「班活動の中で,一部の生徒に活動が偏ったりすることがある場合には,どのような配慮を行っていますか」といった質問が出され,それぞれの発表者から回答がありました。
まとめとして,探究的な学びの指導の基本には,生徒の姿の丁寧なみとりと評価があり,評価の結果を生徒が納得感をもって受け止め,次の学びに活かす,その積み重ねが学習者としての自立につながること,教師もよりよい教育の姿を探究し続け,挑戦する人として変わり続けることを怖れないこと,などが共有されました。
今後もEVRIでは,IB教育の研究と実践を手がかりに,これからの日本の教育をどのように改善・変革していけるかを検討してまいります。

当日の様子はこちらをご覧ください。

イベント一覧についてはこちらをご覧ください。

【問い合わせ先】

広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI) 事務室

E-Mail:evri-info(AT)hiroshima-u.ac.jp
​※(AT)は@に置き換えてください


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