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【開催報告】【2022.10.15】定例オンラインセミナー講演会No. 123「ヒューマンライツ(人権)と学校教育:変化のエージェントとしての教師とは」を開催しました。

広島大学大学院人間社会科学研究科「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は、2022年10月15日(土)に、定例オンラインセミナー講演会No.123「ヒューマンライツ(人権)と学校教育:変化のエージェントとしての教師とは」を開催しました。本セミナーは、日本学術振興会の再招へい事業(BRIDFE Fellowship Program) のアウトリーチ活動の一環としてご講演いただき、大学院生や学校教員を中心に77名の皆様にご参加いただきました。

はじめに、司会の川口広美准教授(広島大学)より、本セミナーの趣旨が説明されました。まず、これまでの日本の学校教育においても、人権教育は重要なテーマであるとされてきたことや、知識だけでなく、態度や行動の育成まで重視されてきたことが説明されました。しかし、その一方で、実際に社会参加を行うための意欲や有効感が低いことが課題であることが、セミナーの参加者全体で確認されました。

次に、オードリー・オスラー氏(イギリス・リーズ大学名誉教授/ノルウェー・サウスイーストノルウェー大学教授/日本学術振興会外国人招へい研究者)から「人権と学校教育:変革の主体としての教師」と題した講演が行われました。発表は、現在民主的なシティズンシップが危機的な状況にある(例:狭いナショナリズム、安全保障への危機感)という問題意識と、民主主義の危機を克服するには人権教育が重視であるという立場からスタートしました。そこでの、人権教育とは「権利について学ぶこと(learning about rights)」「権利を通して学ぶこと(learning through rights)」「権利のために学ぶこと(learning for rights)」という3種類が必要であるという話になりました。人権教育を行うために、その土壌として安全な風土を培うことは必要です。しかし、単に雰囲気だけで示すのではなく、きちんと「人権」とは何かを理解し、「人権」を守るための方法や姿勢も共に学ぶことが必要であるという話になりました。こうした人権教育を推進していくためには、世界人権宣言や子どもの権利条約といったグローバルな人権枠組みが重要であること、また、希望のペダゴジー(教育学)が重要であることが提示されました。

希望のペダゴジーについて語るオスラー氏

司会の川口准教授

講演を受けて、久保美奈さん、田中崚斗さん(広島大学大学院生)がオスラー氏の著書『Human Rights and Schooling』読書会の成果と、同会で出てきた疑問を報告しました。また、ウェビナーのQ&A機能を活用して行われた質疑応答では、主に日本の文脈に基づき、「日本では、教師の人権問題が課題となっているが、それをどのように考えればよいか」といった質問や、「学校現場においてabout とfor/throughのバランスをどのように図るか」「人権という言葉を濫用する子どもたちや、濫用するのではと恐れる教師たちはにどのように対応すればよいか」といった意見も出されました。そうした問題に対し、オスラー氏は、教師自らが人権を守ろうとすることが重要であること、また、濫用するのではないかという恐れから人権教育を抑制するのではなく、できるところから始めていくこと、その際、人権教育を行うことが子ども(生徒)・教師・学校環境、そして社会を変えていくのだという合意を世界レベルで持つことなどを話されました。人権教育について参加者全体で理解が深まりました。
 

質問に答えるオスラー氏

オスラー氏に質問をする久保さん(左)と田中さん(右)

最後に川口准教授が、人権教育は社会問題の全てを解決するわけではないが、社会を変えていこうとする意識や姿勢を育成することが見えてきたことや、世界的に進めていく必要があること、世界的に進めていく際には、オスラー先生のように、多様な文脈に丁寧に応答し、対話し続けることが重要であるとまとめ、本セミナーは終了しました。
 

セミナーをまとめる川口准教授

逐次通訳をしていただいた小松真理子氏

セミナーに参加した学生と意見を交わす様子

セミナー後に池野名誉教授(右)と意見を交すオスラー氏(左)

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【問い合わせ先】

広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI) 事務室

E-Mail:evri-info(AT)hiroshima-u.ac.jp

​※(AT)は@に置き換えてください


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