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【成果報告】2022年度高等学校教員のための指導力向上セミナーを開催しました

広島大学教育学部は、2022(令和4)年12月11日(日)に、「2022年度高等学校教員のための指導力向上セミナー」を対面・オンラインを併用して開催しました。
本セミナーの目的は、高等学校教育の現代的課題に取り組むための有益な知見を、教育行政・学校現場・大学のそれぞれの立場から提供し、それを参加者が共有し討議することによって、高等学校関係者にとっての豊かな研修の場を提供することです。
本年度は、「高等学校教師の専門性を問う-新しい時代の高等学校教育の実現に向けて-」をテーマとし、第Ⅰ部では、「新しい時代の高等学校教育とそれを担う教員の専門性」についての全体講演を行い、引き続き第Ⅱ部では、分科会1で「学際的な学びに重点化したカリキュラム改革と教師の専門性開発」、分科会2で「地域社会に関する学びに重点化したカリキュラム改革と教師の専門性開発」に関する分科会を行いました。
全体講演では講師の常盤木祐一氏から、新しい時代の高等学校教育に関わる制度改正と期待される社会的役割の再定義を踏まえて、「三つの方針」(スクール・ポリシー)の策定、「普通教育を主とする学科」の弾力化への取り組みについての情報をいただきました。また、社会システムや産業構造の急激な変化の中で高校教育に必要な「共通性の確保」とは何か、どのような「多様性への対応」が必要かを問うことが求められており、高校教育を担う教員の専門性として共通的に求められる資質の具体的内容を示していただきました。
分科会1では、「学際的な学びに重点化したカリキュラム」づくりに取り組む2つの学校から、学習内容・学習経験のデザインとその過程でどのような教師の専門性が期待され養われたか、またそのカリキュラムは生徒の成長にとってどのような意味をもっていたかについてご報告いただき、今日的課題に迫ることができました。分科会2では、普通科の改革とともに地域と学校との協奏に取り組む実践、地域の中で関連教育の協働に取り組む実践の2つの事例をご報告いただき、関連の高等学校のカリキュラム改革について指定討論を行い、地域と高等学校の協働の在り方および教師の専門性開発について参加者とともに意義ある協議の場をもつことができました。

【日時】2022(令和4)年12月11日(日) 13時00分~16時30分
【会場】広島大学教育学部(対面・オンラインの併用)
【テーマ】高等学校教師の専門性を問う
-新しい時代の高等学校教育の実現に向けて-
【主催】広島大学教育学部
【共催】広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)・広島大学文学部・広島大学理学部・一般社団法人尚志会
【後援】文部科学省・広島県教育委員会・広島市教育委員会
【内容】
■第Ⅰ部 全体会(13時~14時10分)
開会行事 
教育学部長 松見 法男、実行委員長 鈴木 明子、実行副委員長 草原 和博

全体講演:「新しい時代の高等学校教育とそれを担う教員の専門性」
文部科学省初等中等教育局 教育課程課長 常盤木 祐一

■第Ⅱ部 分科会(14時30分~16時30分)
〇分科会1:学際的な学びに重点化したカリキュラム改革と教師の専門性開発
司会進行:梅田 貴士、森田 愛子

趣旨説明:草原 和博

実践提案1
「文理融合科目『グローバル平和探究』の取組」
広島県教育委員会 山崎 愛子
広島県立広島国泰寺高等学校 大下 伸一、上元 真弓

実践提案2
「西条農業高校のカリキュラム開発と高大接続」
広島県立西条農業高等学校 丸川 晋一、堀内 敬士

意見交換 草原 和博、影山 和也、カビール ラッセル サーワー
全体討論 同上
まとめ・謝辞 長松 正康

〇分科会2:地域社会に関する学びに重点化したカリキュラム改革と教師の専門性開発
司会進行:高尾 祐太

趣旨説明:吉田 成章

実践提案1
「学校種間連携と地域との協働による新たな高等学校カリキュラムの創造」
広島県立日彰館高等学校 川中 延晃

実践提案2
「地域との協働による城東型グローバル・リーダー育成の取組」
岡山県立岡山城東高等学校 田村 繁樹、金井 庸記

指定討論 島根大学学術研究院教育学系 松尾 奈美

全体討論 吉田 成章、尾崎 雄祐
まとめ・謝辞 鈴木 明子

【参加アンケートの結果】満足度99%

■参加者の声(抜粋)
・現場で実施していることの政策的背景や、目的を知ることで、日々の実践の方向性を見直したり、修正したり、改善策を考えながら話を聞くことができた。
・昨今の教育で求められている教員の専門性や学校のあり方について知ることができた。
・今、教育がどのような方向性で動いているのかを俯瞰的に知ることができた。
・文科省が高等学校の存在意義をどのように考えているのかについて、かつて大学で行ったのと同様に、ミッションを再定義させることによって自覚させようとしており、それに基づいて教育課程を改編しようとする意図を持っていると考えられた。
・学校運営協議会の運営やセルハイ・SGH指定校がそれらを糧にして現在、どのように取り組んでおられるのかを知ることができました。現在、私の学校も地域とともにある学校ですので、両校から多くの学びを得ることができました。そして、「高校の普通とは?特色化・魅力化」の講演は、探究と魅力化と高校教育との間で悩んでいたこともあり、とても刺さりました。後半の生徒の「失敗」も学びであるとするところや、全体を通してこれからの高校教育を分かりやすく導いてくださっておられました。
・自校の実践が外からどのように捉えられるのかを知ることで、カリキュラムやシステム、体制における改善点や、伸長すべき点について考える事ができた。また、他校の実践を知ることで、自校の取組の参考にしたい点を考える事ができた。
・高等学校が、自身の存在意義について模索しようとしていることがわかった。しかし、それが可能な高等学校の割合がどの程度あるのか、卒業のための単位を取らせることに汲々としている高等学校も少なくはないだろうことに想いが及んだ。
・学校設定科目の具体的な取組や目的、目標等を実際に行っている学校の先生から聞くことができ、理解が深まった。
・テーマ設定が時宜を得たものであり、実践報告もテーマにリンクしていた。
 

お問い合わせ先

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広島大学教育学系総括支援室 研究支援担当
TEL 082-424-7190
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