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2023年7月23日(日)に、第145回定例セミナー「東広島市地域学習用デジタルコンテンツ-のん太の学び場-活用講座」を、東広島市立図書館と共同で実施しました。東広島市立中央図書館と安芸津図書館の2館を会場として、市内の小学生10名がタブレット端末を使って「のん太の学び場」での学習に挑戦し、本学の学生・大学院生8名が学習支援をつとめました。
講座は小学校の授業時間割を模して、13時から16時までを3時間に区切って実施しました。進行はEVRIの草原和博教授と大坂遊教育研究推進員が務めました。昨年と同様に、オンライン会議システム(Zoom)を活用して安芸津館からも遠隔で児童が講座に参加し、中央館の子どもたちと一緒に学びました。
進行をする大坂教育研究推進員
のん太の学び場を説明する草原教授
子どもたちと学生がふれあう様子
1時間目は、デジタルコンテンツに実装されている30のキーワードを確認するとともに、「のん太の学び場」で何が・どのように学べるかを実体験的に学習しました。今年は、キーワード「市旗」を例にしてページの使い方を学びました。「東広島市の旗は、①市内の警察署にあがっているか?、②市内の消防署にあがっているか?、③市内の図書館にあがっているか?」という問いに対峙しながら、予想を立てたり、ページを閲覧したりすることを通じて、子どもたちはページの機能を理解しました。さらに、草原教授は、応用的な課題の例(新しい東広島市の旗をどうデザインするか)を提示し、子どもたちの発展的な学習を促しました。
2時間目は、「のん太の学び場」を使って調べ活動を展開しました。当日は30のキーワードのうち「のんバス」「市旗」「産業団地」「とんど」に関心を寄せる児童がそれぞれグループになって、調べ学習を行いました。
調べ学習の前には、「問いとは何か」を考える時間を設けて、デモンストレーションを行っています。「~か?」の形で終わる文章が問いだということ、「なぜ」や「どうして」「だれ」といった言葉と問いは結びつきやすいことを子どもたちは認識できました。そのうえで、のんバスの写真を事例にして、問いを作る練習にも取り組みました。
調べ学習では、子どもたちはA3用紙にインターネットや参考図書を読んで分かったことを書き出したり、資料を引用して貼り付けたりと、グループのメンバーで分担して作業に取り組みました。この支援には、大学生・大学院生と図書館スタッフが共同してあたりました。また、作業にとりかかる前には、図書館スタッフの方から資料の引用・出典表記の方法についてもお話があり、子どもたちに著作権を守ることの大切さも学んでもらいました。図書館にご用意いただいた参考図書は、調べ学習に大いに役立てることができました。
のん太の学び場を参照する様子
本を使って調べる様子
東広島市立図書館による著作権・引用に関する説明
3時間目はポスターを完成させた上で、調べ活動の成果発表を行いました。各キーワードについて、まず児童が完成したポスターを説明しながら成果を報告し、次にそれを支援した大学生・大学院生がそれぞれの作品の特徴や子どもたちの頑張りの様子を全体に向けて紹介しました。最後に草原教授と髙野谷図書館長が短評を述べ、受講証と景品を手渡しました。髙野谷館長は、このようなイベントをきっかけにぜひ積極的に図書館に足を運び、夏休みの自由研究に役立ててほしい、また図書館を使った調べる学習コンクールにも作品を応募してほしいと呼びかけていました。
ポスターを作成する様子
完成したポスターを発表する様子
修了式の様子
東広島市立図書館と連携した「のん太の学び場」活用講座は今年度で5回目を迎えました。今年は、昨年の反省をふまえ、探究すべき「問い」を作り上げる時間を設けたことで、より質の高い作品を作り上げることができました。「なぜのんバスは一部の場所にしか来ないのか」「東広島ではいつからとんどが始まったのか」といった高度な問いを立てて探究活動ができたことは大きな成果です。また、遠隔で参加できる体制を作ることで、離れた場所にいる子ども同士がつながり、ともに東広島という地域について学び、交流しあう機会を提供することができました。
夏休みは始まったばかりです。子どもたちには、のん太の学び場と図書館、そしてキーワードに関連した場所を行き来しながら、自分が立てた問いの答えを時間をかけて見つけ出してほしいと思います。今後もEVRIは、子どもたちの好奇心や探究心にこたえるプロジェクトを推進してまいります。
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広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI) 事務室