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広島大学大学院人間社会科学研究科「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は、内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環として、「デジタル・シティズンシップ・シティ:公共的対話のための学校」プロジェクトに取り組んでいます。
2025年10月6日(月)、米国カリフォルニア州の5校6学級(小学校2~6年生)が繋がり、「Shared Stories, Unique Lenses: Digital Citizenship Cities」をテーマとする遠隔授業を実施しました。参加校は以下の通りです。
・Mistwood Educational Center(Bayside)
・Oakmont Outdoor School(Claremont)
・Valentine Elementary School(San Marino)
・Toluca Lake Elementary(North Hollywood)
・Sutherland Elementary(Glendora)
授業全体の進行はSutherland ElementaryのCathy Marston先生、授業のコーディネートはカリフォルニア州立ポリテック大学ポモナ校のRebecca Valbuena先生と広島大学の金鍾成准教授、が務めました。また各学級の指導は、各校の担任の先生方(Shasta Werthman、Imetra Joiner、Rosemary Girgis、Rick Lee、Jack Dunaway)が務めました。本授業は米国カリフォルニアにて初めて実施されるDCC授業であり、3回シリーズの単元の第1時間目です。
授業をするキャシー先生
ホスト学級の様子
授業は、お互いの学校を紹介するところから始まりました。各学校の代表の子どもが好きな活動や教科を紹介しながら、お互いの学校の違いについて認識しました。アジア史やスペイン語を学んでいること、リーディングの授業が好きでファストフードが大好きなこと、宇宙について学んでいて野外学習を実施していること、毎週金曜日が「School Spirit Day」で学校のカラーである青や白の服を着ること、ユニバーサルスタジオの近くでチェスが好きなこと、1961年にできた学校でマスコットはクーガーで青と黄色が学校のテーマカラーということをお互いに伝えました。この活動を通して、参加する学校がどんな学校かお互いに認識しました。
ここでキャシー先生は、自分の考えを率直に発言すること、考えるときには「社会科学者」の視点でみていくことを子どもたちに伝えました。
他校へ自分の意見を発表する児童
自分の考えを付箋に書く児童
それぞれ学級で「Community(コミュニティ)」という言葉の定義について話し合い、定義するうえで重要な単語やフレーズは何かについて考えました。キャシー先生が提示したコミュニティの定義について、大事だと思うキーワード・キーフレーズを出し合いました。話した結果はZoomのチャット機能を用いて共有しました。ここでは、「集団であること」「共通の興味をもつ人々であること」「互いに支え合い,共通の目標をもって協力し合うこと」「お互いに大切にされ、価値を認め合うこと」「互いに耳を傾け合うこと」「違いがあるからこそコミュニティが強くなること」のような意見がでました。
次に、コミュニティの種類について確認をし、自身がいくつのコミュニティに所属しているかについて考えました。学校というコミュニティ、宗教というコミュニティ、地域のコミュニティ、野球やサッカー、チェスなどの活動をベースにしたコミュニティなどが指摘されました。それらを踏まえ、強固なコミュニティは、信頼の上に整理すること、協働的であること,違いを受け入れる風土があること,感情的な結びつきがあること、などを共有しました。また,私たちはコミュニティにおいて大切にされているとき、どんな感情を抱くかについて考えました。子どもからは、受け入れられているという感覚、集団に所属しているという感覚は本当に心地良いものである、でもたまに本当にやりたいことじゃないことをしないといけなくて、その時は心地良くないときもある、などと発表しました。
さらに様々なコミュニティのなかでも「学校」コミュニティに焦点をあて、学校で心地よく感じさせてくれる存在について考えました。子どもは、保護者や先生、校長先生、クラスメイトなどの人物に加えて、教室、遊び場、図書館などの場所を挙げました。
授業のテーマ
コミュニティの定義
授業の最後には、キャシー先生から子どもたちに挑戦状が出されました。それは社会科学者として、校外に出てコミュニティを観察することです。具体的には、
・コミュニティでは何が起きているか?
・みんなが安全で心地よく感じている場所になっているのか?
・どのような人たちが、協力して働いているか?
・どのような違いが、コミュニティの魅力を高めているか。
・問題があるとしたら、どこにあるか。
これらを調査した上で、次回の授業で発表し合うことを約束しました。
クラスの意見をチャットに打ち込む児童
クラスの意見を他校に伝える児童
今回の米国実践は、韓国に続いて「デジタル・シティズンシップ・シティ」を海外に展開した試みです。今回の実践にあたり2025年2月にCathy Marston先生とRebecca Valbuena先生を東広島市に招聘し、DCC授業を見学いただきました。その時の視察に着想を得て実施されたのが、今回の実践です。米国は、日本や韓国のように必ずしも急激に人口減少が進んでいるわけではありません。しかし、コミュニティの社会文化的な特性の空間的な多様性は極めて顕著で、特性の異なるコミュニティを結び、共通の公共的課題を探究するDCC型授業は、米国の教育課題にも十分に応えうることが見えてきました。また本実践は、東広島市で実施しているDCC授業とは異なり、参加校が継続的に交流し、行動(Action)につなげることまでを視野に入れた単元計画となっている点で、独自の工夫が見られます。次回は2026年の1月と3月に実施します。引き続きDCCの海外展開と実装にご期待ください。
最後は笑顔でお別れ!
キャシー先生とスタッフで記念写真
参加校の位置
広島大学EVRI-SIP運営オフィス
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掲載日 : 2026年01月09日
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