武内康佳(M1)

文学研究科人文科学専攻-博士課程前期1年(2016年3月現在)

派遣国:インドネシア
派遣先:インドネシア教育大学
派遣期間:2015.8.22~2015.9.20

1)派遣国について

189万平方キロメートル(日本の約5倍)、人口約2.55億人(2015年、インドネシア政府統計)の東南アジアの国です。民族は大半がマレー系(ジャワ、スンダ等約300種類)です。言語は主にインドネシア語を話します。
首都のジャカルタはジャワ島の西部に位置しており、今回派遣されたバンドンもまた、西ジャワに位置しますが、ジャカルタからは車で4~5時間かかります。このことからもジャワ島、インドネシアの大きさがうかがえます。

 

2)現地での生活や文化について

派遣先大学が位置するバンドンには、スンダ人が多く生活しています。現地ではインドネシア語が話せると生活し易いでしょう。また、大学内では日本語学科の学生・先生には日本語で、それ以外の学科の学生とは英語でコミュニケーションをとることができました。バンドンは標高が高く、ジャカルタの様な「常夏」ではありません。朝晩は厚手の長袖、長ズボンで眠ることが多かったです。

派遣先大学やその周辺ではイスラム教徒の方が多く、先生として滞在する場合は宗教に配慮した服装が好まれます。あまり肌が見えるような服装は避けた方が良いでしょう。

現地の食事はお米も麺も選べますが、辛い物が多いです。学食で食べることが多くなると思います。洋風なもの(ハンバーガーなど)で食べたい場合や綺麗な所で食べたい場合は、乗り合いバスで10分ほどのショッピングモールで食事をとることもできます。

3)派遣先について

インドネシア教育大学(Universitas Pendidikan Indonesia)はUPI「ウピ」と呼ばれます。Pendidikanとは日本語で「教育」を意味します。インドネシア教育大学の先生方は日本への留学経験が豊富で非常に優しく親切な方ばかりです。広島大学の日本語教育学科出身の先生もいらっしゃいます。また、広島大学には、UPI出身の職員さんがいらっしゃいます。
UPIの日本語教育学科は非常に優秀な学生が多く、1年次から日本語能力試験N4やN5(またはそれ以上)のスコアをもつ学生もいます。UPIの学生は卒業後日本企業への就職を目指す人、日本語教師になる人、日本人観光客向けのガイドをする人など、日本とインドネシアをつなぐ橋となる人物を輩出しています。

4)研修内容について

当初このプログラムは全学対象のプログラムではありますが、文学研究科から参加した先輩を聞きませんでした。その中で文学研究科のためのものが立ち上がったと聞き、応募しました。ミッションとしては「広島大学大学院の学生として自分の専門を踏まえ、日本語・日本文化を伝えること」が常に頭の中にありました。UPIの日本語教育学科に所属し、9回(1講義×3クラス×3週間)講義の時間を分けてもらいました。ネイティブ講師が身近にいない環境で、学生と交流して日本についてより興味をもってもらう、日本語学習へのモチベーションを上げてもらうという研修内容でした。

 

5)このインターンで1番得たもの

日本語・日本文化への理解を深めることができました。日本のことに関しても、知らないことや説明できないことが多く、勉強の必要性を感じたことも収穫です。
様々な人との繋がりを構築することができました。1ヶ月間気を使ってくださって、一緒にジョギングをした先生、お土産を買うのにわざわざついてきてくださった先生、自分は行ったことがあるのに案内するために何時間も山を歩いてくれた学生、売り物のごはんと魚をくれたおばちゃん…様々な人と出会い、インドネシアの人の温かさを感じました。

 

6)インターン経験を今後どのように生かしていきたいですか?

派遣時には日本語教育に対する興味のみを持っていましたが、G.ecbo派遣後2015年12月に日本語教育能力検定試験を受験し、資格を手に入れました。現在非常勤講師をしておりましたが、さらなる経験を求め、再度UPIへ(「トビタテ!留学JAPAN奨学金プログラム」」を利用し )インドネシア語留学と日本語講師の経験を積むための滞在をすることになりました。G.ecboへ参加後、「これがしたい」「あれがしたい」と挑戦する気力や、自信が身に付いた結果だと思っています。今後も様々なことに挑戦していきたいと考えています。

●「もみじ 学びのサポート ページ」https://momiji.hiroshima-u.ac.jp/momiji-top/learning/-japan.html
●「トビタテ!留学JAPAN トップページ」:http://www.tobitate.mext.go.jp/

 

7) 未来の派遣学生にむけて、事前準備や注意点などがあれば教えてください。

現地での滞在はUPIの先生が手配してくださり、学生が一緒に行動してくれます。そういった先生方にお土産があれば喜ばれると思います!一人で行動する際にはインドネシア語が話せるといいと思います。授業の準備や思わぬ頼まれごとで、計画通り進まないこともあると思います。計画がずれたならずれたなりに、こんなことができるんじゃないかということを考えておいた方が、焦らなくて済むと思います。

 

8) その他、「これはいいたい!」と思われることがあればご自由にどうぞ・・・

広島大学やUPIの職員さん、先生方に非常に助けられました。きっかけを下さったG.ecboに本当に感謝しております。

 

9) 後輩の方々へ一言メッセージを・・・

さまざまな分野を専攻する日本人が現地へ行くことで、日本の様々なことについて知ってもらえると思います。教育やイスラミックスタディだけでなく、日本文学や日本史、言語や宗教など自分の得意分野を武器に是非UPIへ行ってみてください。

他のG.ecbo生とも、事前研修や事後研修で顔見知りになり、事後研修あたりでは一体感が生まれます。他分野の学生がどんなことをしているのか、現地でどんなことができたのかを知るのもとても興味深く、勉強になりました。是非気になったら応募してみてください。

 


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