林田さやか(株式会社東芝 内定)

(インターンシップ先:アルメック株式会社・ハノイ事務所(2007年度))

 

「すごい経験ですね」就職活動の面接で毎回のように言われた。そんな経験をしたのは、2007年8月から9月の1ヶ月間。私はベトナム・ハノイにある(株)アルメックにて、インターンシップという形で現地調査をさせて頂いた。調査内容は、現地の日系企業を訪問し、トップにインタビューを、現地人従業員にアンケートを行うことだった。現在、そのデータで修士論文を進めている。
現地調査の合間には、この機会を最大限に活かそうと各地の観光地を巡り、ハノイだけでなくホーチミンやダナンにも足を運んだ。現地の現状を知るにつれ、各都市の中心地は私の見慣れた景色=高いビル、ショッピング街で、ベトナムが先進国に強く影響を受けているのを感じた。しかし、その外れはどこか懐かしい感じのする、時がゆったり流れている地域で、私はベトナムには独自の文化があり発展をしていく必要は必ずしもないのでは、とも思った。

取材を通してこそ知り得たこともあった。「この国には先進国から多くの最新製品が入ってきており、社会の急速な発展に人々の発展が追いついておらず、国が困惑した状態になっている」。もちろん日本もその先進国の1つであり、ものづくり大国として便利な製品を開発し続けてきた。しかしそれは本当に人々を幸せにしていると言えるのか。このような考えから、私は、日本は自身が開発してきた製品を生み出すだけでなく、それが社会へ、文化へ、世界へ与える影響についても責任を持たなければならないと思い、電機メーカーに就職活動を行った。
面接官には、その考えに共感を得られ、また単身での海外調査という行動力が評価され、複数の企業に内定を頂き、希望していた東芝にも内定することが出来た。インターンシップ派遣中は無我夢中でとにかく走り回っていたが、実は尋常でない経験をしていたことに就職活動で改めて気付き、また自分にどれだけ大きな影響を与えた1か月だったのかを再認識出来た。

G.ecboはインターンシップがメインではあるが、同時に海外でほとんど単独行動という、いわば修行のようなプログラムで、しかしその分得るものは多い。1か月でここまで深い体験はなかなか出来ないと思う。いつか、現地でお世話になった方々、知り合った色んな国の人々に会いに行きたいというのが今の私の小さな夢である。


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