平成30年度司法試験結果を受けて

 平成30年度司法試験の合格発表がありました。

 合格されました皆さんには心よりお祝い申し上げます。誠におめでとうございます。本研究科において自らの志を貫徹せんと日々刻苦勉励された成果でしょう。これをさらに一層活かして法曹への道をしっかりと歩まれることを期待しております。混迷する社会において未知の問題に敢然と挑んでほしいと思います。

 残念ながら望む結果を得られなかった皆さん、悔しいことと思います。是非ともその思いを話に来てください。教壇に立つ者と、自ら学ばんとする者との間では、その結果に対してフィフティーフィフティの責任があります。明日からの戦略を一緒に考え、練りましょう。本研究科は皆さんを教員も職員も全力でサポートいたします。

 そのために次の3つを行い、結果とそれに対する思いを刻み付けつつ、断ち切ってください。そうすれば皆さんは立ち上がり歩みを始められますので、共に前進しましょう。

  短時日で、さまざまな思いをぶつけて憂さを晴らしてください。
  心が落ち着いたならば、自らに自らの志を問うてください。
  そして、冷静に自らを振り返って、法曹としての資質を試す司法試験において求められていることに
  応えられたのかを考えてください。

 これからの学びと歩みが皆さんの将来に大いなる飛躍をもたらす貴重な経験となることを願っております。

 今年度、ようやく司法試験単年度合格率が全国平均(予備試験組を除く)を上回ることができました。神戸大学、香川大学、広島弁護士会並びに現場主義的教育をご担当いただいております地元の官公庁・企業をはじめとする皆さまが、本研究科の教育の質の向上にご協力いただきました賜物と感謝申し上げます。

 現在取り組んでいる教育改革の成果として予備試験組を含む単年度合格率の全国平均を超えることが次のチャレンジです。
 できるかぎり多くの法曹志望の皆さんの夢を実現できますよう精進してまいります。
 今後とも、ご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 2018年9月11日

                             広島大学大学院法務研究科長
                                      秋野成人

 


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