各学科の教育目標
理学部の各学科では以下の教育目標を掲げています。
数学科
数学は、論理性と普遍性を基軸とした人類文化を代表する学問であり、近年はコンピュータによる情報化社会の進展とも相まって、数学の利用はますます広範か つ高度なものとなってきています。このような状況を踏まえ、数学科では、創造性豊かな教育を重視し、現代数学の基礎をしっかりと身につけ、数学的センスと 幅広い教養に根ざした総合的判断力をもった人材を養成することを目指しています。これらの実現に向けて、以下の項目に留意します。
- 高校から大学、大学から大学院への教育課程の結びつきを配慮した、基礎から専門への段階的かつ系統的な教育課程を設置。
- 自主的学習の奨励と数学的な自己表現能力の涵養。
- 研究者及び中学・高等学校の教員を目指す学生、隣接する分野や計算機シミュレーションなどに興味をもつ学生などに対する多様な進路へのきめ細かな対応。
- 数学図書室、計算機室、セミナー室などの教育環境の整備。
物理学科
≪学部課程における目標(各年次に修得すべき事項)≫
学生の学習到達度や理解度に則した段階的教育を行っています。
- (基礎)初年次において初等物理学及び数学的基礎を修得。
- (専門)2、3年次において、電磁気学、熱力学、量子力学、統計力学等の現代物理学の基礎や専門実験を修得。
- (応用・実践)最終年次において、卒業研究等を通じて問題解決能力や成果のプレゼンテーション能力を修得。
≪学部修了時における目標 ≫
学生の進路に応じて4年間で修得すべき目標を定めています。
- さまざまな現象に潜む問題を発見しその原理を論理的に理解する物理学的素養や問題を解決できる基盤的能力(総合性)。
- 産業界や教育界など社会の広い分野で活躍するのに必要な物理学的素養を応用する能力(応用性)。
- 大学院に進学し研究活動を行うのに必要な物理科学の基礎知識と手法開発能力(専門性)。
化学科
化学は、物質科学の中心を占める基幹学問として、また、生命科学の複雑で精緻な世界を、分子及びその集合体レベルで解明するための基盤として、自然科学の 中でますますその重要性を増しています。化学科ではこのような時代に対応するため、化学の基礎を体系的に身につけさせた上で、応用を含めた幅広く深い知識 と問題解決能力を修得させることを教育目標とします。特に、基礎実験技術の習得を含めた体系化した教育を行います。また、環境問題や情報化時代に対応した 化学教育の充実を図り、生命科学分野の基礎教育を充実させ、多様な科学の発展に適応できる広い視野をもった人材を育成することも目標とします。
一方、学生の学習意欲や能力の多様化の問題を、個性の発現の好機ととらえ、各学生の指向や個性を考慮した教育指導を行い、学生の顔の見える教育というスローガンを掲げます。
具体的には、以下の目標を設定します。
- 学生と教員の交流を促進し、各学生の生活指導を含めた一貫教育を行う。
- 主要な化学分野の基礎の体系化を図る。
- 学生実験を重視し、幅広い分野で、最新の科学技術の発展に対応できる実験技術を修得させる。
- 情報化・国際化に対応した教育を行う。
生物科学科
生物科学科は、多種の生物を教育研究材料とし、分子レベルから個体・群集レベルにいたる多様な生命現象の基盤を支配している「共通法則」を学ぶことを通し て、研究者あるいは高度な専門性をもつ技術者として社会で活躍できる人材を育成することを目標としています。このために特に、以下の項目に留意し、生物学 の講義・実習を主とする教育活動を行っています。
- 学生の積極的な学習意欲を育むために、専門教育の必修科目をできるだけ抑え、選択の自由度を高くしたカリキュラムを編成。
- 基礎実験を重視し、野外実習から分子レベルまで生物科学の実験方法を修得。
- 卒業研究は特に重視し、研究の面白さが実感でき、専門的知識・技術が身につけられ、大きな教育効果が期待できる科目として位置づける。
地球惑星システム学科
地球惑星システム学科は、地球を太陽系の一つの惑星としてとらえ、太陽系の進化、地球の誕生と進化、地球内部の探求、地球環境の変遷、地下資源、自然災害、自然環境、これらの問題について以下の点に特に留意して体系的に教育を行うことを目標とします。
- 地球惑星科学についての専門的知識・手法・分析力
低学年での基礎的かつ幅広い内容の講義から高学年での専門的内容の講義へと学年進行とともに講義内容の程度を高度にし、地球惑星科学に関して広範な知識・専門的手法・分析力を有する学生を育成する。
- 学生の特色に応じた教育
高学年においては、各学生の興味、得意な分野を生かすために、複数のコースの実験・実習・演習を選択性にし、多様な学生の個々の特色に応じた教育を行う。