6つの研究領域

大学院スマートソサイエティ実践科学研究院において行われる教育研究の柱は,Society 5.0の主要研究分野である「Cyber Physical System」「Smart Mobility」「Smart Energy」「Smart Agriculture」「Global Health and Medical Science」「Social Innovation Science」の6つの研究領域です。複数の研究領域が柔軟に融合・連携しながら,「スマートソサイエティの実現を担うグローバル人材」を養成します。

Cyber Physical System

 実世界からデータ取得・収集するセンシング・ネットワーク技術,データから予測や知見を導き出すAI分析技術,これらを人間が生活する実世界に反映させる制御・ロボティクス技術に係る専門知識を身に付けるとともに,社会の要請に応じた多様なサイバーフィジカルシステムの高度化及び社会実装について研究する領域です。 
 Cyber Physical System領域では,サイバー空間とフィジカル空間が緊密に連携するスマート社会の実現に向けて,スマート農業のためのAIフィールド画像解析,条件不利地域での交通インフラモニタリング,環境アセスメントに向けたサンプリングロボット,遠隔リハビリのための人間拡張インタフェースなど,他の研究領域と連携した実践科学に係る研究テーマを取り扱います。

Smart Mobility

 自動車や公共交通機関から歩行者に至るまで,移動体から発信・収集される各種時空間リアルタイム情報,走行挙動や渋滞,CO2排出,事故,災害などの過去の履歴データを組み合わせたAIビッグデータを解析し,地域の経済発展と生活の質の向上を目指し,社会的に最適な解を導くモビリティの制御や計画について研究する領域です。

 Smart Mobility領域では,地域医療と連携したMaaSのシステム開発,バイオ燃料を活用した持続可能な交通手段の運用,交通流シミュレーションに基づく政策決定コンセンサス手法の開発など,実践科学に係る研究テーマを取り扱います。

Smart Energy

 エネルギー利用においてカーボンニュートラルを実現するために,エネルギー利用システムの高効率化,変動するエネルギーの変換及び貯蔵,バイオマスエネルギーの有効利用,さらには,エネルギー問題と環境問題を社会科学的視点で理解することで,地域の経済発展と生活の質の向上を目指し,社会的に最適な解を導くエネルギーの制御や計画について研究する領域です。
 Smart Energy領域では,EVによるMaaSシステムと連携したエネルギー変動吸収システムの開発,ソーラーシェアリングと連携した窒素肥料の地産地消システム,環境負荷の小さなエネルギー利用シミュレーションに基づく政策決定コンセンサス手法の開発など,実践科学に係る研究テーマを取り扱います。

>> 教員要覧

Smart Agriculture

 情報・AI技術によるセンシングやアナリティクスを取り入れた生物学と環境学をコアとして,そこに機械工学,ロボット技術を導入する食資源の新技術体系を構築する研究領域です。具体的には,農業生産における家畜や作物の状態をリアルタイムで把握し,その情報をもとに家畜や作物の生産を高める技術開発を行います。さらに,水産分野においては,養殖だけでなく資源管理のためのモニタリングとシミュレーションを行い,海洋資源の持続的な利用を可能とする研究を実施します。食品分野においては,安全な食品生産と健康を向上させる機能を有する食品を開発します。
 これらに農業分野における社会・経済学的な視点を加えることで,食資源を垂直統合的に理解し,世界における持続的な食料生産という課題解決に寄与する研究テーマを取り扱います。

Global Health and Medical Science

 他の研究領域との連携を通じて,Society 5.0に適合し,SDGsに掲げる「すべての人に健康と福祉を」に根差した国際医療保健について研究する領域です。
 グローバルな視点を持ちつつ地域の課題に先端科学技術の動向も踏まえて取り組み,諸外国の新たな医療や保健政策,ICTを活用した遠隔医療や遠隔リハビリテーション,工学的手法を用いたロボットリハビリテーションやロボット介護など,スマート社会の実現に寄与する研究テーマを取り扱います。

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Social Innovation Science

 AIや機械学習などのデジタル情報分析技術を駆使し,即時かつ定量的な意思決定科学に関する専門知識を身に付けるとともに,社会の革新を確実なものにするための,エビデンスによって裏付けられた新しい政策立案・展開・実施・分析・評価と,そのガバナンスの実装について研究する領域です。
 Social Innovation Science領域では,人々のエネルギー選択・消費行動,食資源管理行動,健康維持・増進行動について変容を起こすことで,確実に社会革新を導く実践科学に係る研究テーマを取り扱います。
 


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