支援を受けた学生のご紹介

Vol.15 「フィンランド留学を振り返って」

名前:西原 緋呂

所属:総合科学部国際共創学科 3年

中村 英雄様 冠事業基金によるご支援により、広島大学短期交換留学(HUSA)プログラムへ参加。
ユヴァスキュラ大学(フィンランド)へ2022年1月~2022年5月まで留学。

留学先の大学について

派遣先はフィンランドのユヴァスキュラという地域にあるユヴァスキュラ大学です。国民の幸福度の高さや福祉政策が充実している北欧の国に関心があり、留学先として選びました。

ユヴァスキュラ大学は、1863年に設立されたフィンランド語教育教師養成学校を起源とし、現在およそ1万5千人の学生が在籍しています。この大学の特性は、広範囲の学士および修士レベル教育が英語で提供される点であり、同大学の自然科学、人文科学、スポーツサイエンス、教師教育分野での専門性は高い評価を受けています。また、海外での学習の場や国内での国際化学習の機会の提供を推奨しているので、様々なインターナショナルプログラムが存在し、相互交換留学協定により25か国の大学と提携、360におよぶ大学からの留学生を迎えています。修士号を取得する学生数においてはフィンランド第2位の大学です。各学科の施設は3つのキャンパスに分かれて配置されており、そのうちメインキャンパスは同教師養成学校があった場所に位置し、他キャンパスはユヴァスヤルヴィ湖を隔てた反対側にあります。キャンパス間は橋を隔てて繋がっており、夜間には橋がライトアップされ、大変壮観です。

留学中の生活について

大学では英語に関連する授業の他、福祉やフィンランド語の授業を履修しました。福祉の授業では、リハビリの効果を高めるために音楽を利用するなどの内容もあり、作曲を趣味にしている私にとってはとても興味深いものになりました。授業の多くは座学だけでなく、他の学生との交流やフィールドワークを多く取り入れており、授業と直接関係のない部分でも多くの学びがありました。例えばグループディスカッションや学生組合主催のイベントなどでは、他の留学生たちにとっての常識や日本に対する様々な意見を知る機会がありましたし、フィールドワークではフィンランドの文化に多く触れました。

留学中にロシアのウクライナ侵攻があり、帰国が早まるのではないかと少し不安がありました。首都のヘルシンキではデモがあるなどしたようですが、支障をきたすことなく生活を送ることができました。

フィンランドでの生活を通じて感じたことですが、フィンランドの人々は国民性として、留学生はもちろん学生に対してとても寛容で、国民一人一人に、金銭的なものではなく心に余裕があるように思いました。はっきりとした答えは出ませんでしたが、幸福度の高さはこの寛容さ、心の余裕からくるのではないかと感じました。

留学先の大学では何を学びましたか。

大学では英語に関連する授業の他、福祉やフィンランド語の授業を履修しました。これらの多くは座学だけでなく他の学生との交流やフィールドワークを多く取り入れており、授業と直接関係しない部分でも多くの学びがありました。例えば、グループディスカッションや学生組合主催のイベントなどでは、他の留学生たちにとっての常識、日本に対する様々な意見を知る機会がありましたし、フィールドワークではフィンランドの文化に多く触れました。

大学外では、フィンランドの主要都市や近隣のEU加盟国へ他の留学生と旅行し、それぞれの国の文化や芸術、歴史を学びました。

大学寮の近くで見たオーロラ

ヴェルサイユ宮殿の庭園

今後の目標について教えてください。

今回の留学で得た最も大きなものは、日本人としての自分をより俯瞰的に、また客観的に捉える視点です。

この経験は、これから先に再び留学した時や、異なる文化背景を持つ同僚と仕事をする際に活かされると思います。自分の広島大学での専攻分野は観光なので、これからの研究にも役立つと考えています。

最後に

この度は奨学金を寄付してくださりありがとうございます。コロナ禍で多くの学生さんが留学を断念していた中で、勉強だけでなく近隣の国への観光など充実した半年間を過ごせたのは奨学金があったおかげです。

ヴェネツィア

スウェーデン

 

(2022年11月取材/基金室)


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