学習・教育目標
最初に、当プログラムの到達目標と成果を下記の a) ~ h) に示します。
a) 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
b) 技術が社会及び自然に及ぼす影響・効果、および技術者が社会に対して負っている責任に関する理解
(技術者倫理)
c) 数学、自然科学及び情報技術に関する知識とそれらを応用できる能力
d) 社会基盤環境工学プログラムの専門分野における知識とそれらを問題解決に応用できる能力
e) 種々の科学、技術及び情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
f) 日本語による論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力、および
国際的に通用するコミュニケーション基礎能力
g) 自主的・継続的に学習できる能力
h) 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
これらの到達目標と成果をより具体化して、以下の A) ~ G) に示す学習・教育目標と評価基準を掲げています。
A) 教養・視野の広さ
広範化、複雑化する社会や自然環境を、自然、人文、社会などの複数の科学的視点から観ることができる能力。
- 自然環境の現状と今後予想される環境問題を説明できる。
- 同一対象に関する異なる科学的知見が対立する例を示すことができる。
- 研究課題の解明に関連する複数の科学的知見を列挙できる。
B) 課題発見力
国際社会・地域社会における自然と人間とのかかわりを理解し、問題点を認識できる能力。
- 土木構造物と周辺環境の特徴を理解し、起こりうる自然現象や災害を列挙できる。
- 環境共生に対して土木技術が果たしてきた役割を説明できる。
- 研究課題に関連する既存技術を位置づけ、新規性を説明できる。
C) 問題構成力
問題を論理的に整理し、技術的問題を構成できる能力。
- 数学、物理学等の知識を用い、現象の主要な要素を支配する方程式系を選択できる。
- 多様性のある現象や災害などの事象を数理的に表現、理解できる。
- 研究対象となる現象を構成する主要要素を的確に説明できる。
D) 問題解析力
必要な情報を獲得し、技術的問題を抽象化、モデル化して、解析できる能力。
- 現象のモデル化に必要な情報を獲得できる。
- 数理的な手法を用いてモデルの解を求めることができる。
- 研究における解析手法の妥当性、信頼性を説明できる。
E) 評価力
複数の解決案を提案し、その結果を予測して、優劣を評価できる能力。
- 理論的に得られた解の実現象への適用性や限界を考察できる。
- 複数の代替案を設計し、結果を予測し比較できる。
- 研究から得られた知見や土木技術の適用性、限界、社会的な意義を説明できる。
F) 伝達する能力
提案する解決案の内容、合理性、効果、実行可能性を他人に伝達できる能力。
- 情報処理機器を用い、一定の品質を伴った正確な図、表、文章を作成できる。
- 討議、発表の場で自らの考えを他人に理解させることができる。
- 英語を用いて基礎的なコミュニケーションを行うことができる。
G) 実行力・解決力
A) ~ F) を総合的に駆使して、問題解決のプロセスを実行できる能力。
以上のプロセスを体得し、問題解決力を自発的・継続的に高める能力。
- グループでの分担を考え、計画的に仕事を進めることができる。
- 問題解決プロセスを評価し、改善提案を行うことができる。
- より複雑な課題に答えるために学ぶべき知識を自ら見出すことができる。
当プログラムでは、各基準の達成水準を対応科目の達成目標としてより具体化してシラバスに示し、科目ごとに達成度を厳正に評価することを通じて、結果として客観的に評価することを目指しています。また、卒業論文にそれぞれの学習・教育目標の総合的評価としての位置づけを持たせており、日頃の口頭試問や発表、質疑応答、作成された論文の内容、英文要旨、中間発表会、最終発表会を通じて、総合的に評価を行うこととしています。