白川 俊之 准教授
基本情報
- 所属又は配属:大学院人間社会科学研究科
- 職名:准教授
- 取得した休業:育児休業(第1子)
- 取得時期:2023年4月~2023年7月
- 取得期間:117日間
育休を取得しようと思った理由やきっかけ
子どもが生まれたら育休を取得することはパートナーと話し合っていました。育児の大変さについていろいろと聞いて知っていたので共育てをするというのは自然な考え方でした。子どもの出生後、何年間かは子育てを中心にした生活が続きますので、最初からフルタイムで子育てにかかわり経験値を積んでおきたい、という思いもありました。育休時期を4~7月(4か月間)としたのは生後6か月くらいのタイミングで保育園に入れたいと考えていたからです。8、9月は前期と後期の間の休業期間で比較的仕事の負担は多くない(集中講義などを除けばレギュラーの授業がない)時期なので、夏休みの開始に合わせて就業復帰し、同時に「保活」を始めました。
周囲(家族、職場)の反応
職場の同僚には子どもが生まれる予定があることと育休を取るつもりだということを子どもが生まれる半年前くらいに伝えました。幸い(というと変かもしれませんが)、上長・同僚は育休の取得を従業員の権利として捉えている方々だったので、この意思表明をめぐって何かもめるというようなことは起きませんでした(当然かもしれませんが・・・)。家族の反応は正直にいうと、あまり覚えていません。もしかしたら育休にすでに入った後の、事後報告だったかもしれません。「お母さんとお父さんがずっといっしょにいていいね」みたいなことを子どもに話しかけていたような気がします。
育休取得までの準備(家庭や職場で)
育休中は授業をしたり、会議に出たりすることはできないので、仕事関係ではその調整が重要、かつやや手間がかかりました。専門科目については育休の年は休講にしました。教養科目の場合は休講にするのが難しく(どういう理由だったか忘れましたが)、前期に開講していたものを開講時期を後期にずらすことで対応しました。会議に関しては別の先生に代理で出席していただきました。今回は前期の間だけの育休だったため、どうしても休講にできない授業は後期に回すといったことが可能でしたが、期間がもっと長くなる場合はこういうやり方では対応できません。この辺りはケースバイケースだと思います。家庭では育児に必要なものを買いそろえたり、家具の配置を変えるなどの準備をしていました。赤ちゃんにとってクリーンな室内環境にするために、浴室の掃除やエアコンの清掃などもしていましたね。
育休中の過ごし方
生まれて数日は病院に入院していましたので、家から病院に通って子どもの世話をしていました。授乳、おむつの交換、体温測定などをして、いつ何をやったかを病院から渡されたシートに記録していました。退院後は家で子どもとの生活がスタートしました。基本的には子どもに合わせた生活です。ある程度時間を決めて授乳し、定期的におむつをチェックし排泄があれば新しいものと取り替えていました。夜の寝かしつけと起きてきたときの対応(ミルクを飲ませ、おむつを替える)はパートナーと1日ごとに交代でしていました。ベビー用品の買い出しもこの時期によくしていました。買い出しの際にはお散歩ということにして子どももベビーカーに乗せて連れ出すことが多かったです。ベビーカーでの移動中はたいていは子どもは寝ていました。
育休中に大変だったこと、困ったこと、失敗談など
育休中に大変だったというより、子どもが生まれてからはそれまでとは生活が一変しますので、いろいろな面において、もちろん慣れてくるまでは大変でした。直接育休にかかわることとして強いて挙げるなら、育休を取ったとはいえ、仕事がすべてなくなるわけではなかったという点です。主に学会関係の仕事ですがもともと報酬もなくボランティアでやっているような仕事なので、関係者にも育休を取得することは伝えていませんでした。そのため会議の日程調整のメールなども普通に送られてきて、会議にもオンラインで出ていました。そうした仕事がそれほど頻繁にあるわけではないし子どもの世話ともなんとか両立させてこなしていましたが、今は無理に続けなくてもよかったなと思っています。
育休を取得して良かったこと
たくさんあります。乳幼児の世話というのは自分にとってはまったく初めての経験だったので、勤務先での通常の業務もしながら子育ても、というのは、最初から無謀だと思っていました。今、当時の生活を思い出しても「育休を取っていなかったらどうなっていたんだろう」と考えると、恐ろしくなります。夜なんて2、3時間おきに起きないといけませんから。そんな生活をしながらそれまでと同じように仕事もするというのは、現実的に考えてちょっと不可能だったと思います。一方で生まれたばかりの子どもの世話はとても新鮮な体験で、子どもの成長を間近でみられることは大きな喜びでした。赤ちゃん期の子どもとかかわるための時間を十分に確保できたことは、育休を取ってよかったことの1つです。
これから育休取得を考えている男性教職員へのメッセージ
私自身は育休を取ってよかったことはたくさんあり、反対にデメリットはまったくありませんでした。社会の側も、男性の育休取得や育児参加を後押しする雰囲気に徐々になってきていると思います。子どもが生まれるとそれ以前の生活に育児がプラスアルファで加わるわけではなく、生活の構造そのものが根底的に変わります。その新しい生活に適応できるよう、自分を「作り変える」ために、育休制度はどんどん活用されるべきだと思います。
(2025年10月掲載)
*所属・職名等は掲載時点のものです。
*取得期間は休日を含めています。

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