大学教員としての幅を広げましょう

相田 美砂子 理事・副学長(大学改革担当)

管理職として、次に続く女性たちへのメッセージ

 研究者として、まず目指すべきは、PI(Principal Investigator)となることです。PIの定義は明確ではありませんが、概ね、

   (1) 発表論文の責任者
   (2) 担当プロジェクトの予算作成・執行の実質的な責任者
   (3) 特定の部下(大学院生)の指導の責任者
   (4) 研究グループの予算作成・執行の実質的な責任者
   (5) 独立した研究室をもつ

の5項目が挙げられています(※)。

  つまり、誰かの「手伝い」ではなく、独立した研究者となることを目指してください。PIは、職名とは関係ありません。助教でもPIとして活動することが期待されています。
 PIとしての活動が活発になり、国内外の研究者との付き合いも増えてくると、だんだんと、自分の研究室だけでなく、大学全体、あるいは、日本全体の、動きや問題点に気づくようになります。そうなったら、自分の研究室だけではない、少し違う立場に進む、ちょうど良い頃合、です。
 研究科や大学の、何かの役割を担う打診を受けたら、まず、引き受けましょう。「忙しいから、できません。」という表現も、「私には、まだ無理だから。」という表現も、禁句!です。まず、TRYしてみましょう。そして、自分の視野を広げていきましょう。そうすれば、これまで見えていなかった背景、あるいは、気づいていなかった側面に気づくようになります。
 研究者としての活動に、男女による違いはありません。しかし、残念ながら、日本では(あるいは、日本に限らず)、女性がのびのびと活躍できる、とは言い難い環境が、まだまだ、あります。その環境を変えていくことができるのは、他でもない、あなた、です。あなたが行動しなかったら、あなた自身だけでなく、あなたが育てている学生が研究者になる頃にも、何も変わっていないままになってしまいます。ご自身のためにも、同僚のためにも、次世代のためにも、みんなが活躍しやすいように日本を変えていくことに関与しましょう。
 それは、即ち、あなたの大学教員としての幅を広げることにもなるのです。

(※)科学技術・学術政策研究所 調査資料-195「我が国の大学・公的研究機関における研究者の独立の過程に関する分析-研究職歴と研究権限についての大規模調査-」(2011年3月)


up