山田 俊弘 先生

 

Q 山田先生はIGSの中の『環境と社会の視点』に所属されていますが、その視点ではどんな授業を行うのでしょうか?

A 視点全体では、環境問題について学際的に学べるよう、様々な講義が提供されています。環境問題を解決するためには自然科学だけでなく、様々な知識が必要です。例えば法整備。法を整備するためには法学や、社会がそれを受け入れられるのか検討する社会学も必要。それに環境問題の経済的な影響評価も必要です。なんとIGSではそれら全てが学べるんです。その中で私は「社会と科学から見た地球環境問題」という授業を担当します。

 

Q 山田先生はどのような研究をされているのですか?

A 私は、「意識しなくても生物多様性を守れてる」って言う世界を作ることを目指していて、そのための仕組みづくりを探しています。具体的には、生物多様性の宝庫と言われる熱帯林をどう守るのかを考えてるんだけど、じゃあ、「熱帯林を蝕む開発を全部止めろ」って言うと窮屈な感じがするし、現実的じゃないと思うんです。それより、生物多様性の損失がほとんど起こらない開発の方法を見つけ、それ通りに開発を進めることで、開発と生物多様性保全を両立するほうが素敵だと思うんです。こういう仕組みをね、作りたいな、と思ってます。

 

Q 高校生へ何かメッセージをお願いします。

A 是非「柔軟に考える」を大事にして欲しいです。柔軟な思考が大発見につながる可能性があるから。大人はよく「私はもう歳だから、頭が硬くなっちゃって」って自虐的に言うけど、あれは、嘘だと思うんです。そんなことを言う人の頭は、きっと若い時から硬かったはず。歳は関係ないです。でも、「柔軟に考える」っていうのは、誰にとっても難しいですよね。だから努力して柔軟に考える練習をしておかないと、肝心なところで自由な発想なんて出てこないですよ。つまり、日頃から柔軟に考えようって努力することが、すごく重要だと思うんですよね。


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