消化器内科学

岡 志郎 教授

【研究キーワード】

消化器癌、炎症性腸疾患、ヘリコバクター・ピロリ感染症、肝炎ウイルス、遺伝子多型、バイオマーカー

【最近のハイライト】

C型慢性肝疾患に対する抗ウイルス療法の成績は格段に向上しましたが、B型慢性肝炎に対しては未だ生涯に渡り抗ウイルス薬の内服継続が必要です。肝臓グループでは、B型肝炎に対する治療向上を目指し、基礎研究に力を注いでおります。近年の基礎研究成果を元に、B型急性肝炎重症例を対象とした臨床研究も開始しました。また最近、B型C型肝炎以外の肝硬変や肝臓癌が急激に増加しています。その原因の解明や治療についても、基礎的および臨床的な研究をすすめています。

消化管腫瘍に関する内視鏡診断は、拡大内視鏡観察や画像強調観察等の導入により、術前診断の精度が向上しております。2015年7月にIBDセンターを立ち上げ、大学病院内の病診連携や患者会との連携を強化し、診療の質向上を図りました。また、内視鏡治療においても、内視鏡的粘膜下層剥離術におけるデバイスは年々進歩し、治療の安全性も向上していることから、消化管グループでは、各消化管における内視鏡治療適応の拡大に向けて臨床研究を行っております。

膵癌患者数は増加しており、早期発見・早期治療に向けた基礎・臨床研究が盛んに行われております。近年では、膵嚢胞性病変も膵癌のリスク因子として注目されていることから、膵臓グループでは、膵癌早期発見を目的に内視鏡超音波検査や逆行性膵胆管造影検査等を積極的に行っております。また、膵癌の早期発見を目指し、血液や膵液を利用したバイオマーカーの探索も行っております。



研究者総覧へのリンク

教育内容
消化器病は食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓と多くの臓器があり、最も患者さんの多い診療領域です。当教室では消化管疾患の内視鏡診断・内視鏡治療、急性・慢性肝疾患および肝癌の診断・治療、さらに胆膵系疾患の診断・治療を中心に診療を行っております。最近では、高脂血症、糖尿病といった代謝性疾患を合併した脂肪肝や慢性膵炎などの患者さんも増加していることから、広範囲の疾患の診療を行うことが多くなっております。

研究内容
肝臓グループは、慢性肝疾患、肝臓癌の画像診断・治療成績に関する臨床研究のほか、肝炎ウイルスの感染・複製のメカニズム、肝炎ウイルスと発癌、肝炎ウイルス感染や肝発癌とヒトゲノムの遺伝子多型との関連性、脂肪性肝炎に伴う線維化進行と歯周病菌感染との関連性、腸内細菌叢が肝疾患に及ぼす影響等に関する基礎研究に取り組んでおります。
消化管グループでは、消化管疾患に関する内視鏡所見や治療成績を用いた臨床研究のほか、消化管癌の癌細胞とその周辺の組織(間質)との相互作用、消化管早期癌の癌ゲノム解析、ヘリコバクター・ピロリ感染と発癌、炎症性腸疾患のメカニズム等に関する基礎研究に取り組んでおります。
膵臓グループでは、胆道系疾患、膵炎、膵臓癌の画像診断・治療成績に関する臨床研究のほか、膵癌の発現メカニズムやバイオマーカー探索等に関する基礎研究に取り組んでおります。

【写真説明】 2017年6月、広島にて第53回日本肝臓学会総会ならびに平成29年度日本肝臓学会前期教育講演会を開催いたしました。

【写真説明】 2015年8月22日 第9回広島ライブが当院で開催されました。

【写真説明】 ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)検査風景


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