精神神経医科学

岡本 泰昌 教授

【研究キーワード】
うつ病、脳機能画像解析、バイオマーカー、機械学習、Neurofeedback

研究者総覧へのリンク

【教育内容】
 近年の急速なグローバル化、悪化する雇用状況などを受けてうつ病、自殺が急増しています。また、急速な少子高齢化に伴って認知症が急増する一方で、数少ない子供たちにもいじめ、不登校、虐待、発達障害が社会問題化しています。「こころの問題」の重要性が認識され、精神疾患は5大疾患に位置づけられ、わが国の重要政策の一つとなっています。当科では講義および臨床実習を通じて精神科での基本的面接技法、診断分類法、コンサルテーション・リエゾン精神医学などの総論や、気分障害、統合失調症、不安障害、ストレス関連障害、器質性精神疾患、認知症などの各種精神疾患について教育を行っています。また医学研究実習においては研究を通じて最新の脳科学の知見に触れていただいています。

【研究内容】
 うつ病を、神経回路・分子病態に基づいて層別化し治療反応性を予測する手法を開発します。具体的には、血液バイオマーカー候補としてメタボロームを解析し、またfMRIデータと臨床症状などの情報を、機械学習を用いて統合的に解析することでうつ病を客観的に層別化し、治療反応性を予測する技術を開発します。また、うつ病の新たな治療技術として、fMRIデータなどの脳反応をリアルタイムで解析し患者に提示し、標的神経回路を効率的に調整する非薬物治療法としてのニューロフィードバック治療を開発します。これらの診断・治療技術開発の基盤となる発症メカニズムの探求に関しては、報酬依存的なドパミン神経回路と報酬非依存的なセロトニン神経回路の双方を調整すると考えられる手綱核の役割を、慢性ストレスによる手綱核過活動モデル動物や霊長類モデルを用いて検証するとともに、手綱核ニューロンの興奮性を調整するグリア細胞(ミクログリア、アストロサイト)機能異常を解明します。さらに、Translocator Protein(TSPO)の作用に着目し、実現性を重視したDRUG RE-PROFILING研究によるグリア細胞機能異常を標的とした薬物による治療技術開発を行います。


up