老年・地域作業機能制御科学

花岡 秀明 教授

【研究キーワード】

老年期作業療法、回想法、介護予防、フレイル、認知症、生活の質(Quality of life)

【最近のハイライト】

 高齢者のその人らしい生活を支援するため、エビデンスに基づいた作業療法の確立をめざして取り組んでおります。現在、高齢化が急速に進む中、認知症と抑うつの対策が重要な課題となってきています。こうした課題への対策として、高齢者の心理的適応の維持回復や認知症予防を目的とした心理社会的アプローチの1つとして回想法が注目されています。

 我々は、こうした重要課題に対して、特に回想法の効果検証に力を注ぎ、研究を行っております。その目標は、(1)回想法が地域在住高齢者のための認知症や抑うつ予防に有用なプログラムを構築すること、(2)特定の設備の整った施設のみで実施するだけでなく、幅広い地域在住高齢者がサービスをうけることができる環境を整えること、です。その他に、関連機関との連携を行い、様々な活動にも加わり、社会貢献できるよう努力を続けております。

研究者総覧へのリンク

教育内容
 高齢者に対する作業療法に関連する予防や評価、そしてアプローチが主な対象となります。講義は、健常高齢者の特徴、虚弱高齢者や認知症を有する高齢者の特徴について、生活との関連の中から行っています。また、作業療法実践としては、グループ活動、認知症高齢者への対応、生活障害への対応などについて、演習を通して教育を行っております。
 高齢者を支援するためには、本人のみならず、家族支援等も重要で、より対象者の立場に立った、対象者に寄り添った幅広い視点が臨床では求められているため、社会から求められる人材の育成に努めております。
 大学院進学者は、下記に示す研究テーマからテーマを選び、2年間の修士、更に3年間をかけて博士の学位を取得することなり、関連施設等で臨床、研究のリーダーとして活躍されることが期待されています。

研究内容
1.高齢者に対する回想法に関する研究
2.地域在住高齢者の介護予防介入に関する研究
3.認知症を含む、虚弱・障害高齢者のQOLの維持・向上に関する研究

【写真説明】 現在、急速な高齢化が進み、高齢者の精神的健康の維持向上や認知症予防対策が課題となっています。こうした課題に対して、研究活動をとおしてその効果を配信するだけでなく、地域在住高齢者の介護予防に関する講演などにも直接関わり、社会に何らかの形で貢献できるよう、努力を重ねています。この写真は、地域で回想法を実践しようとするボランティアを対象とした、学習会でのワンショットです。


up