生理機能情報科学

【研究キーワード】
1.脊髄・末梢神経障害の電気生理学的非侵襲的評価
2.脳活動磁界計測による四肢の感覚処理機構の解明
3.疼痛に関連する高次脳機能の解析
4.術中脊髄機能モニタリングの基礎実験的研究
5.運動障害と脊椎骨盤アライメント、四肢アライメントの研究
6.脊椎手術後の至適リハビリテーションの開発ーウェアラブルディバイスを用いた日常的リハビリテーション
7.フレイル・サルコペニア予防のための至適運動法の開発

【最近のハイライト】
1.『鏡に映された手指の触圧覚刺激は大脳皮質二次体性感覚野の反応に影響を与える』(Nakanishi K et al. JNeuroreport 29(3):229-234, 2018)。
手指の運動障害がある患者に対して、健側の手指を鏡に写してあたかも患側の手指が動いているような錯覚を起こさせる、ミラーセラピーの有用性が知られている。このリハビリテーションにおいて、大脳皮質運動野の反応が亢進することが知られているが、本研究では感覚野においてもその反応が変化することを証明した。
2.『脊髄硬膜動静脈瘻の脊髄障害パターンによる電気生理学的分類』(Nakanishi K, et al. J Clin Neurophysiol 36(1):45-51, 2019)。
脊髄硬膜動静脈瘻は多彩な症状を呈するため、診断に難渋し治療が遅れ、重篤な下肢麻痺、膀胱直腸障害を来すことのある疾患である。本研究では本症の脊髄障害を、経頭蓋磁気刺激筋誘発電位と、F波計測による中枢運動伝導時間、末梢伝導時間を算出して評価し分類した。

【教育内容】
 生理機能学全般に関する教育を保健学科の学部学生すべてに(看護学専攻・理学療法学専攻・作業療法学専攻)に行っています。また生理機能学実習を理学療法学専攻・作業療法学専攻の学生に、基礎医学演習(生理機能学)を看護学専攻の学生に指導しています。
 大学院保健学専攻の博士課程前期・後期の学生に対しても、生理機能学の最新知見に関する講義・ジャーナルクラブなどを実施し綿密な指導を行っています。特に、四肢筋力低下や疼痛に関連する神経生理学的現象に焦点をあてるよう試みています。

【研究内容】
 脊椎脊髄疾患や四肢関節症など、多くの人を悩ます症状は、特に心理社会的要因により慢性化し、大脳皮質の改編を促し悪循環を来すことが解明されつつあります。しかし、遺伝子レベルや生体分子レベルで展開される生理機能物質や生化学反応の同定等というハードウェアの理解に比較して、中枢神経系から効果器に指令される運動神経情報や、末梢から中枢神経系に伝達する感覚情報の処理機構というソフトウェアの理解は遅れています。当研究室では、その進捗を目指して、ヒトやin-vivo動物から神経情報を記録しながら感覚生理機能・運動生理機能との対応関係を調べています。

【図説明】
The equivalent current dipoles (ECDs )estimated from the measurements following right hand stimulation in the representative participant. The ECDs are applied as markers in the axial and coronal MRI. The ECDs were estimated in the postcentral gyrus (corresponding to the primary somatosensory area of the hand) on the left side (cSI, a). The ECDs were also estimated in the parietal operculum (corresponding to the secondary somatosensory area; SII cortex), both in the left (cSII, b) and right side (iSII, c).The circle and square markings indicate the response in the mirror task and nonmirror task, respectively. The bars indicate the direction of the ECDs. ECD, equivalent current dipole.


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