交流の場としてのマネジメントプログラム

理論と実務との交流

マネジメントプログラムには,3つの「交流の場」としての側面がある。第1のそれは,理論と実務との交流である。社会科学領域,とくにビジネスに関連した分野に関しては,従来から,理論と実務との乖離が問題視されることが多かった。マネジメントプログラムに期待される重要な役割は,ビジネスあるいは地域経済・地域社会に関連した領域において,理論と実務との交流を促進し,その成果を広く公表し,実務や実践と融合した理論の形成,および,理論的なバックボーンに裏づけられた実務の形成に貢献することである。

このような理論と実務との交流あるいは融合は,従来型の学問領域に対して,新たな観点や知見をもたらすとともに,中長期的には,地域経済の発展や地域社会の充実という効果をも生じさせる可能性を内包している。

理論と実務の交流

異分野・異業種の交流

マネジメントプログラムにおける第2の「交流」は,異分野・異業種間において行われる。マネジメントプログラムの教員の専門領域は非常に多岐に渡り,学生も学部新卒者、社会人、留学生と多様性に富んでいる。そこにおいては,教員相互間における交流,院生相互間における交流,そして教員と院生との交流などを通じて,異分野や異業種の交流あるいは融合が実践されている。学術的な側面からは,学際性が主要な役割を演じ,実践的な側面からは、多様性が主要な役割を演じている。こうした学際性や多様性からはじめて,独創性が生み出されるのである。

このような交流によって,教員はより実践的な研究・教育に貢献できる可能性が高まり,また院生等はいままでにおこなってきた日常業務に新鮮な観点や発想がもたらされる可能性がある。このような可能性が起業や新たな創造に結びつくのである。

異文化の交流

第3の交流は、異文化交流である。マネジメントプログラム開設当初から、外国籍の院生が在籍してきた。今まで、数名の外国人客員研究員に加え、多くの外国人院生を受け入れた。平成21年に中国の大連大学、大連外国語大学と学術交流協定を締結したのに引き続いて、平成22年に東南大学(南京)、平成23年に中国海洋大学(青島)と協定を結んだ。4大学から優秀な留学生が派遣される一方、当専攻からも在学生を協定校に派遣し、研究発表とディスカッションを主とした学術交流会を行ってきた。たとえば、平成27年度は、東南大学外国語学院において、下記のテーマで当専攻在学生が研究発表を行い、学術交流を深めた。

  • 実用英語技能検定について
  • 日本企業におけるダイバーシティ・マネジメントの実際
  • 大学教育の中で社会人基礎力を高めるために
  • 参加型価格メカニズムに関する一方察


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