2019年5月28日(火)19時より「ビジネスの必須教養 ネットワークとセキュリティの最新知識」と題した講演会を、広島大学東京オフィスにて広楓会(政経学部、法学部、経済学部同窓会)有志と広島大学関東ネットワークで共催しました。
講師は西村浩二広島大学 財務・総務室情報部長/情報メディア教育研究センター長/情報学部教授です。
高度情報ネットワークが普及し、ビジネスや生活を大きく変えている裏側で、セキュリティ関連の事故や事件、ネットワーク利用における問題が毎日のように報じられています。特にビジネスの現場では、「知らない」では済まされない責任を誰もが負っていると考えなくてはなりません。
そんな潜在的な不安を解消し、新たなビジネスのヒントを得られるよう、学術に裏付けられたセキュリティやネットワークの設計思想を中心にお話しいただきました。
広島大学の情報システムは、他の大学と比較して進んだものだといいます。
キャンパスネットワークは全学的な一元管理体制を維持しつつ、コンピュータの利用目的によってセキュリティレベルを格付けして、利用環境を切り分けられるようにしています。
各部局の要求や利用目的に柔軟に対応しながらも、セキュリティを高めているのです。
クラウドを利用する際のセキュリティ管理のための基本的な指針も早い段階に策定しています。
広島大学の実情にあったルールが簡潔にまとめられたものになっており、担当者はチェックリストを使って自身で点検できるようになってます。
全構成員に対する教育が徹底されている点も特筆される点です。
学部生、大学院生から留学生、非正規の研究生などまで、すべての入学者にセキュリティ、コンプライアンス講習の受講が義務付けられており、受講後の確認テストに合格しなければ、情報システムの利用ができなくなります。
また学長を含む全役員、全教職員、在籍2年目以降の学生に対しても、継続利用のための講習とテストが義務づけられています。
これら「技術」「規則・制度」「教育」の三本の矢で大学全体のセキュリティが守られているのです。
セキュリティとは何か、巨大な情報システムはどのように設計されるべきなのか。
コンセプトが明確で、どのような組織にも応用が可能なモデル、それが広島大学の情報システムだといえそうです。