2015年12月7日、当研究科半導体集積科学専攻の横山新教授、花房助教と学生等23名が、山口県下松市にある株式会社日立ハイテクノロジーズを訪問しました。 訪問の様子を、参加した学生がレポートしました。
日立ハイテクノロジーズは仲の良い先輩が今年内定を頂いたので名前は知っていま したが、どのような製品を取り扱っているか訪問するまで知りませんでした。実際に行ってみると、エッチングの装置を製造していることを知り、また働いてい る人と接することで多くの事を学びました。現在私の進めている研究テーマでドライエッチングのプロセスがあり、装置を使う機会があるので、とても興味深く 見学することができました。中でも驚いた事が二つあります。一つ目は、製造プロセスとその速さです。数千個ものパーツを組み合わせ、数日という驚異的な速 さでひとつのモジュールを完成させること。また、従来はいくつにも別れていた製造工程をひとつに集約し、かつ機械化することで製造の効率性を飛躍的に向上 させたことです。世界の数々のライバル企業との製造競争に勝利するため、また顧客の要望にいち早く応えるためには、常に効率性を考えスピードを重視して取 組む姿勢が重要なのだと学びました。二つ目は、モジュール単位で装置を構成することでニーズに合ったウエハ収納容量を実現し、製品納入もスムーズに行える よう工夫していることです。このことからも従来概念にとらわれず、工夫をすることでニーズ通り製品を提供できるという事を学びました。
訪問の後半で実際に日立ハイテクで働いている方にお話しを伺う機会がありまし た。その方は入社して初めてエッチングを知り、最初は何をやっているかさっぱりわかりませんでしたが、一年間しっかりと装置の使い方や仕組みを理解し、独 り立ちすることが出来たとおっしゃっていました。私は現在B4で独り立ちする為に装置の使用方法を先輩に教えて頂いている最中なので、その状況や大変さは とても共感できました。装置を覚える際は単なる単純作業だけでなく、構造や仕組みを理解したうえで覚える事が大切だと感じました。さらに気付いた事は、そ の方はすごく仕事がすきだなという事です。失敗することが大半な実験の世界で、ひとつひとつの成功に喜びを感じ、仕事に励む姿勢はとても充実感に満ち溢れ ているように感じました。
この訪問を通して感じた事は、他の大学にはないような高性能なクリーンルーム・装置が広島大学にはあるので、その良い環境の中でその方と同じ姿勢で研究に 取り組むことにより、単なる実験なのではなく社会に出るための準備を兼ねているのだという事を認識し、研究に励んでいこうと思いました。
参加した学生と教員