以下の授業が2019年度後期の工学研究科「名講義」の上位10科目に挙げられました。(ただし、実習等及び受講者10人未満の講義は除いています。説明文は、講義概要や到達目標等から抜粋しています。)
設計学持論 茨木 創一
位置決めを機能とし、高い運動精度を求められるメカトロニクス・システムの設計に関して、機械工学のエンジニアとして知っておくべき実際的な知識を学ぶ。位置決めシステムを構成する要素である、サーボモータ、ボールねじ、リニアモータ、案内、エンコーダなどについて、原理と、どのような原因で運動誤差が生じるかを学ぶ。また、位置決めシステムの運動精度の測定法を学ぶ。
さらに、複数の軸を組み合わせた多軸位置決めシステムを対象として、機構学を基礎とした新しい測定法の考え方を構述する、座標変換の考え方に基づく多軸位置決めシステムの幾何学モデルの導出理論と、それを基礎とした測定、誤差原因診断、数値補正を説明する、本授業では基本的に、主に工作機械の多軸位置決めシステムを題材とする。
メディア情報処理特論 宮尾 淳一
マルチメディアデータの圧縮や解析に利用される直交変換(DFT、KLT、DCTなど)やデジタルフィルタの基礎を理解し、その応用として音声処理や画僧圧縮について解説する。さらに、最近の機械学習による圧縮技術についても触れる。また、解説した圧縮手法の一部についてプログラミングによる実習も行い、理解を深める。
Machine Learning 栗田 多喜夫
人間の能力に近い人工知能の応用が急速な勢いで普及し始めている。画像中の顔の検出機能は、スマートフォンで普通に利用できるようになった。インターネット上に蓄積されている膨大な情報の中から有用な情報を見つけ出すデータマイニングも利用が進んでいる。訓練サンプルからモデルのパラメータを自動的に決定する機械学習は、これらの応用において必要不可欠な基礎技術である。本講義では、機械学習の基礎とその応用について解説する。
材料複合工学特論 佐々木 元・曙 紘之
目標:
材料複合プロセスの一つとしての表面処理法の分類・原理・特徴の理解
材料の高機能化、高信頼性化と表面処理法との関連性の理解
複合材料の組織、物性、製造法の原理の理解
材料複合化による新たな材料開発、材料設計法への理解
概要:
材料物性学、材料組織学、機械材料学、材料成形学の基礎的事項を修得した者を対象に、表面処理技術の原理、手法および特徴を解説する。また、材料複合プロセスの観点から、材料の高機能化、高信頼性化と表面処理との関連を解説する。更に、金属やセラミックス、プラスチックスなどの材料を組み合わせて人工的に創りだす複合材料の解説を行う。特に、複合材料の界面構造が機械的・機能的特性に与える影響を明らかにし、複合材料の設計指針、新しい材料複合化の概念などに対する解説をする。
建築構工法特論 大久保 孝昭
建築生産の合理化や高度化に関する新技術動向を解説しながら、建築生産システムを理解させる。特に鉄筋コンクリート建築物の工法については、主要工事である型枠工事、鉄筋工事およびコンクリート工事について実務に立脚した理解を深めさせ、工事監理の方法について詳述する。また、近年の性能規定型の建築生産やユーザー保護に関する行政施策に基づく建築生産のあり方を解説し、建築材料、特にコンクリート工事に関連する建築基準法および品確法について解説する。
本講義および演習を通じて以下を習得させる。
(1) 建築生産における工事監理および品質管理に関する講義・演習を通じて、特にRC工事における型枠工事、鉄筋工事の実務を学ぶ。
(2) 建築構法に関する新技術を理解し、特に、鉄筋コンクリート建築物における工事監理を行うための主要工事の工法を理解する。
Technology Transfer 伊藤 孝夫
Objectives: This course presents the principles of technology transfer, emphasizing successful determinants of technology transfer using case methods of the shipbuilding and printing industry.
Outline: Topics covered include foreign direct investment, managerial resources, patent, entrepreneurship, localization, case studies of shipbuilding, construction equipment, and printing firms.
生産マネジメントシステム特論 江口 透
多品種少量/変種変量化が進む機械加工組立型生産システムを対象とした生産計画、スケジューリング、実行系の構成について学び、生産対象によって異なるいくつかの代表的な生産方式の特徴や最適化法を理解することを目標とする。
サイバネティクス工学特論 辻 敏夫
人間(あるいは生物)は、現在の工学技術ではまだ実現が難しいような、巧みで高度な制御・情報処理能力を有している。本講義では、特に
■人間の運動機能に注目し、
■サイバネティクス工学の観点から、
現在適用しうる理論体系、工学手法を概説する。
スケジューリング特論 森川 克己
本授業では、システムの効率的な運用に欠かせないスケジューリングをとりあげ、特に生産システムを中心にしたスケジューリングの基礎理論、最適解を求める基礎的技法やヒューリスティック解法、応用技法などを構述する。
Management of Natural Disasters 河原 能久・土田 孝・畠 俊郎・日比野 忠史・内田 龍彦・布施 正暁・Lam Chi Yung
近年、各国で自然災害(Natural Disasters)の激甚化が懸念されており、防災・減災対策の在り方を見直すことが求められている。本講義では、日本の自然災害と法律、制度の歴史を紹介した後、Natural Hazards(地震、津波、土石流・地滑り、地盤沈下、洪水、台風、気候変動)について、発生メカニズム、Natural hazardsがNatural Disastersに変貌する人間活動との関係、重要な災害事例、防災・減災のための具体的対策(構造物対策、法的規制、予警報システム等のソフト対策)を系統的に解説する。
技術移転演習(PBL) 高品 徹
技術者派遣、現地技術者の国内招聘による教育などの伝統的な形態による技術の海外移転と同時に、今日、開発・設計・製造・販売の各プロセスの海外進出に伴う個別の技術移転も重要な活動となっている。本講義では、そのような多様な段階での技術移転について理解を深めることを目標に、別プログラムで実施のアジア地域を中心とした海外共同研究や企業研修参加者の実地報告をもとに多段階の技術移転のあり方について実例を交えて、学ぶ。さらに、外国人工学系留学生の日本企業の就業体験を共有し、異文化の技術者との円滑なコミュニケーション能力を養い、国際的環境で働く技術者として必要な知識を学ぶ。
Advanced Plasma Engineering 難波 愼一
プラズマ理工学の基礎として、プラズマ中の衝突・放射課程、プラズマ生成、プラズマモデリング、分光学的手段を中心としたプラズマ計測法、および、最新のプラズマ応用について講義する。