一つ一つ乗り越える

亀井 清華 助教

基本情報

  • 所属又は配属:大学院工学研究院
  • 職名:助教
  • 専門分野:分散アルゴリズム

研究者になるまでの軌跡

 私は元々、特に何かが得意というわけでもなく、何か特別好きなものがあったわけでもありませんでした。高校1年生までは何となく成績が良かった国語や社会に興味を持ち、将来は教育学部に行って文系科目の教員を目指そうと思っていました。ところが、高校2年生の頃、特に何かあったわけではないのですが、急に理系科目の成績が伸び出して、文系科目より面白くなってきました。当時の私は、ただそれだけの理由で理系クラスに進路を変え、何かこの理系科目の力を活かせるところにと工学部の受験を決めていました。
  そんな訳で、広島大学工学部第II類に入学した当時、私はパソコンを触ったこともなく、ただ数学が少し得意なだけでしたので、大学に入ってからの成績はあまり良くはありませんでした。また、私は女子校の高校から工学部に来たので、女性だけの環境からほとんど男性だけの環境に飛び込んだわけで、人間関係に戸惑いを覚えることも多々ありました。しかし、力になってくれる友人に恵まれ、楽しい学部生時代を送ることができました。そんな私が大学に残り、情報工学の研究者を志すようになったのは、大学4年生の時に研究室に配属され、当時の指導教官と今も研究を続けている専門分野に出会ってからでした。卒業研究で初めて分散アルゴリズムの研究をする中で、その面白さに段々にのめり込んでいきました。また、途中、挫折しそうになった時もありましたが、指導教官をはじめ、研究室の先輩や仲間たちに励まされて一つの研究をやり遂げる事ができ、その経験は私にとって初めての大きな経験となりました。
 大学院に進学し、そういった経験をさらに積み重ねる中で、自分も指導教官と同じように、大学に残って後輩が何かをやり遂げる手助けがしたいと思うようになりました。これが私の大学教員を目指した原点です。私はまだ研究者としても教育者としても駆け出しで、毎日、悪戦苦闘しています。「何となく」から始まったようにも見えるこの道ですが、いつ、どんなきっかけで道が開けるか分かりません。ただ言えるのは、今いる場所で一生懸命やったとき、一つ一つの事をやり遂げていき、それを積み重ねた時に、道ができるのだと思います。これからも悪戦苦闘を乗り越えて、研究者としても教育者としても成長していきたいと思います。

学生に対するメッセージ

 今いる場所で、自分らしく一生懸命やっていくことが大事だと思います。目の前の課題は小さなものから大きなもの まで様々ですが、その一つ一つを乗り越えていった時に、何かが見えてくるはずです。

(2010年11月掲載)
*所属・職名等は掲載時点のものです。


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