夢をもつことは自己実現の第一歩

小川 麻里 准教授

基本情報

  • 大学名/所属:安田女子大学教育学部児童教育学科
  • 職名:准教授
  • 卒業大学等:広島大学理学研究科遺伝子科学専攻修了
  • 専門分野:分子生物学、発生学、極限環境生物学、理科教育

研究者になるまでの軌跡

 幼児のころから遊ぶのは自然の中、食卓には野山から採ってきた山菜や天然のキノコが並び、夏の海水浴では晩御飯のおかずを探すのが当然の家に育ちました。熱帯魚、金魚、インコ、チャボ、ウサギ、アヒル・・・、常に家には動物が一緒に暮らしていて、庭木に登ってサクランボ狩りを楽しむなど、思い出せば毎日が生きものたちと共にある。それが生物学を研究するようになった原点だと思います。
 しかしそんな私も、大学進学を目前にした高校2年生の3学期末、理系か文系か人生最大の悩み(?)に直面しました。もともと文学好きで、特に古文の世界に取りつかれてしまっていた私は、大学受験の直前まで文系の模試も併せて受け、当時偏差値は国語が最高、数学が最も振るわないという、理系にあるまじき実力で結局は理学部を受験しました。大学(理学部生物学科植物学専攻)進学後1年間くらいは、文学部に進学しなかったことを悔やみ、ひそかに涙を流すこともしばしば。しかし、先生方や同級生に恵まれ、大学で学ぶ授業はたいていどこかに刺激があって面白く、実習が本格的に始まる頃には、生物学科植物学専攻の魅力にはまってしまっていました。
 結局4年間の学部での勉強では物足らず、同じ理学部内の他専攻の大学院に進学。当時は進学時に研究室を変えることは珍しかったことを覚えています。遺伝子発現機構学講座(現:分子遺伝学講座)では、生きものをDNAやRNA、タンパク質から調べることが面白く、様々な実験手法も身につけました。遺伝子のクローニング、サザン、ウエスタン、ゲルシフト、シーケンス、in situ ハイブリダイゼーション、透過型電子顕微鏡技術など様々な手法に挑戦し、当時は相当高度な技術が必要とされていたcDNAライブラリの作成まで行っています。
 この経験は、必ずしも生物学の研究者として適性があるとは思えずコンプレックスだらけだった自分に自信をつけてくれたのと同時に、「生きもの」という定義すらあやふやな対象を様々な角度から調べることで本当のことが少しずつ見えてくる面白さを実感させてくれ、学位取得後に、研究者として独り立ちしようと決意するに至りました。
 学位取得後はフィールドを深海や南極などの極限環境に変え、生物の形の進化や適応の研究を始めました。実際に深海調査船に乗って1000メートルを超える海にも潜りましたし、南極観測隊員として、南極昭和基地周辺の野外調査や海洋調査にも参加しています。
 学生時代にはほとんど考えもしなかった分野ですが、私の場合、本当にやりたいことが30歳を目前としたころに漠然と見え始め、様々な経験を経ながら、少しずつ形になっていきました。人にもよりますが、やりたいことや本当に面白いことは、すぐには気付くことが難しいものなのかもしれません。

学生に対するメッセージ

 研究者に何より大切なのは、人との出会いだと思っています。
 大学には、自分の専門を超えて、様々な人との出会いの場が用意されています。学科や学部内はもちろん、学部を超えて全学的に、そして、集中講義や学会などのチャンスを生かし、日本中、世界中の一流の研究者と幅広く交流してください。私は、憧れた世界・分野の本の著者との出会いがあり、共同研究できる幸運にも恵まれました。
 そして、努力は必要ですが、無理は禁物だと思っています。長期的な視野を持って自分と時間を大切にして下さい。女性としての人生の中に研究や仕事をうまく取り込めるようになれば、自然体になれる。そうすれば、人生も研究も両方とも楽しめると考えて、私もただいま努力中です!

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