研究と家庭生活の両立をめざして

金田一 智規 准教授

基本情報

  • 所属又は配属:大学院先進理工系科学研究科  
  • 職名:准教授

研究と家庭生活の両立をめざして

 現在二人の子どもの子育て中です。妻も同じ広島大学の工学部で教員をしています。夫婦で子育てをしながら、お互いに研究業績をあげるためには、無限に存在する「家事」をいかに効率化するかが重要となりました。
 わが家で共有しているルールは次の通りです。
 (1)お互いに感謝する。(2)家事のクオリティに文句をつけない。(3)好きな家事を分担する。(4)出張などの予定はクラウド上で共有し、先に予定を入れた方が優先される。さらに本当にその出張や飲み会は必要なのかを議論する。(5)車を二台所有することで、子ども達の送迎、買い物、夕食の準備を手分けして行う。(6)夕食は同じ時間に家族で食べる。特に最後の項目は重要です。夕食後の皿洗いまで片づかないとその日の家事は終わったことになりません。これにより一日の作業を早く終わらせることができ、空いた時間を子ども達と過ごすことに使えます。
 これらを実行するためには、まず大学から早く帰らなければなりません。研究室のゼミ等も夕方以降ではなく日中に設定する必要がありますが、夫婦ともに非常に理解ある上司に恵まれた、という一言につきると思います。保育園に行くと子供は様々な病気をもらってきます。熱がでれば保育園に迎えに行き、場合によっては休まなければなりません。警報が発令されると小学校は休みになります。また、夫婦どちらかが講義や会議、講演などで外せない用事があるときは当然片方が子どもの世話をすることになります。
 そんな現実に直面すると、自然と原稿等の締め切りに対する考え方も変わりました。以前のように自分のために時間があるのではなく、いつ仕事を休むことになるかわからないので、お互い締め切り数日前に終わらせるようになりました。結果として余裕をもって仕事に取り組むことができ、時間が十二分にあった独身のころよりも、今の方が生産性はあがっているように思います。
 わが家では、これまで学内にある保育園や長期休業中に実施される学童保育を利用させていただいてきました。学内に子どもがいる安心感に加え、子どもの送迎時間の短縮が家事の効率化につながっており、男女共同参画推進室の支援なくしては、今までの研究活動・業績は達成できなかったと感じています。今後も男女共同参画推進室の数ある支援制度が、より多くの教職員に活用されることを願っております。
 

学生に対するメッセージ

 広大生は能力が高く素直なところが魅力だと思います。しかしながら、他大学の学生と比べると自信がないように思います。学生時代には家と大学の往復だけでなく、様々な経験をしてほしいと思います。友達作りやアルバイトも大事ですが、折角の一人暮らしであれば、男女問わず、料理も含めて一通りの家事をできるようになってほしいと思います。
 また、研究活動には全力で取り組んでほしいと思います。学会発表をしてうまくいけば自信に繋がりますし、失敗してもいい経験になります。一見、社会に出てから役に立たないと思いがちな研究活動ですが、答えのない問題に取り組み、解決策を見いだすという過程を経験することは社会人になってから仕事の上で大いに役立つと思います。
  新型コロナウイルスによって今までの習慣や働き方がガラリと変わると思います。何が本物の情報で信頼できるか、自分は今、今後、何をすべきかを学生時代に見つけてほしいと思います。
 

(2020年9月掲載)
*所属・職名等は掲載時点のものです。


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