研究と子育てとの両立―ワーク・ライフ・バランスの視点から―

定金 正洋 教授

基本情報

  • 所属又は配属:大学院工学研究科
  • 職名:教授

研究と家庭生活との両立

 現在、小学生2人の子育て中です。妻もフルタイムで仕事をしていますので、家事に加えて学童保育への迎えなどを私は担当しています。
   研究内容は、ポリオキソメタレートと呼ばれる金属酸化物の合成法の開発、及び得られた化合物の機能性材料としての応用です。世界の最先端を行く良い研究を目指して研究をしています。ただ、凡人である自分が出来るだけ良い研究を行うには、出来るだけたくさんの時間を研究に費やす必要があります。研究の質と量は、費やす時間に比例すると思っています。しかし、子育て中は、研究にかける時間がどうしても少なくなり悩ましいのですが、子供達と過ごす時間は人生の中で限られているので、家族との時間を優先しています。
 少しでも研究時間を確保するために、これまでに男女共同参画推進室の様々な支援(学内保育園、学童保育、研究支援員制度)を利用させていただきました。研究と家庭生活との両立のためには、本人が効率よく時間を使っていく事が一番大切ですが、職場の支援も重要です。是非とも、子育て中のお父さんの教職員に対する更なる支援を望みます。

学生に対するメッセージ(ワーク・ライフ・バランスの視点から)

 先日、国際シンポジウムにて様々な国の研究者等と夏の休暇についての話をしました。ドイツやフランスでは会社でも大学でも1ヶ月程度、イギリスやアメリカは1-2週間程度の夏休みがあるという事でした。
 私は、約25年前にドイツの大学の博士課程に留学しました。当時、日本で博士課程といえばほぼ休みもなく朝から夜遅くまで研究するのが普通といった感じでしたが、ドイツでは、平日の研究時間も短く、土日は休み、更に2-3週間の夏休みをとる学生も多くいて、家族やパートナーとの個人の時間が優先されていました。その後にアメリカの大学で博士研究員として働いた時には、そんなに長い休みを取る人は少なかったです。
 国や場所が変わればワーク・ライフ・バランスの考え方も大きく変わります。日本の今の習慣にも良いところは多いと思いますが、日本は休日が多くない国の1つだと思います。
 休みが多くならない理由の1つは、休みの多い生活を知らない人が多いせいだと思います。日本にいても他の国のワーク・ライフ・バランスは体感できません。出来れば、自由にできる時間が多い学生の間に、是非、海外長期留学に挑戦して、異なる国の生活スタイルを体験することをお勧めします。
 

(2019年10月掲載)
*所属・職名等は掲載時点のものです。


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