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広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」第56回定例オンラインセミナー「授業研究を軸に教師教育を変革する(2):国際教育開発の視点からみた授業研究を軸にした教師教育の展望]を開催しました

 広島⼤学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は、2020年12月3日(木)に,教育学部共同研究プロジェクト2020(研究代表者:金鍾成助教)の成果報告会として,第56回定例オンラインセミナー「授業研究を軸に教師教育を変革する(2):国際教育開発の視点からみた授業研究を軸にした教師教育の展望」を開催しました。
 
司会は岩田昌太郎准教授吉田成章准教授が務めました。話題提供者には齊藤一彦教授と白石智也氏(広島文化学園大学,助手),そして指定討論者には馬場卓也教授と勝田隆氏(日本スポーツ振興センター,理事)をお招きして実施しました,当日のオンラインでの参加者は約40名となりました。
 
まず,司会の岩田氏から”Lesson Study-based Teacher Education: The Japanese approach in the global setting”(Kim, Yoshida, Iwata, & Kawaguchi, 2021刊行予定)との関連の趣旨説明があり,日本の「Jugyou Kenkyuu=授業研究」を世界的に展開される「Lesson Study=レッスン・スタディ」との関連から見た場合の検討課題がしめされました。具体的には、日本型の授業研究の特色を諸外国へ伝搬させることに意義を見いだすのか,諸外国のレッスン・スタディの取組を日本の授業研究者として捉えなおすことに意義を見出すか、という論点が提起されました。
 
話題提供では,「スポーツ教育開発における授業研究アプローチの可能性」について、ペルーの事例を齊藤氏,ウガンダの事例を白石氏がそれぞれ発表されました。両氏は,両国での国際協力の文脈で実施されたスポーツ・体育の授業研究の経験と取組を基に,スポーツ・体育による教育改善であることの意義,そして授業研究による国際教育開発であることの意義を問いました。
 
両者の発表内容を踏まえて,馬場氏より比較教育学から国際協力における授業研究の視点から,また勝田氏には体育教育学と国際開発の視点から論点整理いただきました。馬場氏は,国際協力に長年携わってきた豊富な研究・実践の経験を背景に,日本の「授業研究」の考え方を一義的に諸外国に委譲していくことの課題を強調しました。同時に、授業研究における二つの葛藤を,すなわち教育方法学的な授業の見方を強調する立場と教科教育学的に授業の計画のあり方を強調する立場の葛藤,そして教育に携わる内部の視座と外部専門家の視座との葛藤,それぞれを描きながら「現地の知」を見いだす国際協力としての授業研究の可能性を指摘しました。勝田氏は,高校教員としての経験や現職でのお立場から,スポーツ・体育による人格形成的意義を強調し,スポーツそのものに求められる言語・コミュニケーションの重要性に加えて、認識によるスポーツを軸とした教育改善のグランドデザインをお示しいただきました。
 
参加者との質疑では,国際協力の文脈と国内の校内研修等の文脈を重ね比較しながら、外部専門家の役割について議論が交わされました。また、授業研究に携わるステークホルダーの多様性の視点からの授業研究の捉えなおす可能性について議論を深めることができました。
 
今回のセミナーを通して「授業研究を軸に教師教育を変革する」ことの重要性を共有できました。EVRIでは、2020年度中に本シリーズを計6回、継続的に実施してまいります。
 

司会(左:岩田昌太郎准教授 右:吉田成章准教授)

趣旨説明の様子

白石智也氏(広島文化学園大学)

斎藤一彦教授

馬場卓也教授

勝田隆氏(日本スポーツ振興センター)

当日の様子はこちらをご覧ください。
セミナーシリーズについてはこちらをご覧ください。
 

【問い合わせ先】

広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI) 事務室

E-Mail:evri-info(AT)hiroshima-u.ac.jp
​※(AT)は@に置き換えてください


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