人間社会科学研究科 人間総合科学プログラム
澤井 努 准教授
tstmsw[at]hiroshima-u.ac.jp(*[at]を@に置き換えてください)
【日時】2022年10月28日(金)16:30-18:30
【場所】総合科学部 J306
【演者】大庭弘継氏(京都大学)
【主催】広島大学大学院人間社会科学研究科ELSIユニットタスクフォース
【内容】“軍事研究問題”は、近年の学術界の論争となっている。狭義には、軍事研究は是か非か、という論争である。端的には、大学等を助成対象とする防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度(2015年開始)と、反対する日本学術会議の「軍事的安全保障研究に関する声明」(2017年)に関連する論争である。
一方で近年、科学技術のデュアルユース性が指摘されている。科学技術は軍事と民生とに区分できないという性質である。さらに、民生を企図しても、兵器やテロに悪用されうるという性質でもある。
では、このデュアルユース性を考慮したとき、我々は“軍事研究問題”をどう捉えることができるのか?この問題関心から、“軍事研究問題”を哲学的に分析したのが科研費・挑戦的研究(萌芽)「軍事研究を哲学する:デュアルユースの観点から」(代表:出口康夫)であり、成果として刊行したのが『軍事研究を哲学する:科学技術とデュアルユース』(出口康夫・大庭弘継編、昭和堂、2022年)である。
この報告は、この『軍事研究を哲学する』の概要を紹介することで、“軍事研究問題”の複雑さを提示するとともに、ELSIの観点から議論されるべき諸問題を提起するものである。もとより、研究参加者・執筆者の思想信条は様々であり、『軍事研究を哲学する』も結論を提示していない。だが、本書は、いくつかの論点に分類することができる。そこで本報告は、「デュアルユース性の進展」「軍事研究というラベル」「学問の自由の限界」という論点に分けて、提起された諸問題を紹介する。
【申込】不要
人間社会科学研究科 人間総合科学プログラム
澤井 努 准教授
tstmsw[at]hiroshima-u.ac.jp(*[at]を@に置き換えてください)
掲載日 : 2022年10月21日
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