レッシング喜劇選集
この翻訳書は、18世紀中頃のドイツ演劇黎明期に活躍した劇作家ゴットホルト・エフライム・レッシングが18才の頃書いた処女作『若い学者』(1747)の他、20才前後の作品『女嫌い』(1748)と異色の社会的喜劇『ユダヤ人』(1749)の三篇の喜劇を収録したものである。
『若い学者』ではレッシング自身が座学の秀才であることに決別して、青二才の大学生が学者気取りで悦に入る様を諷刺的に描いている。ラテン語の格言を話題に父と子がやりとりをする場面やうぬぼれた大学生が下女や下僕からもやり込められる場面が痛快である。
『女嫌い』ではイタリアのコメディア・デッラルテの影響も見られ、離婚を経て女嫌いになった父親が、息子の婚約者である男装の女性に翻弄される。『ユダヤ人』ではユダヤ人に対する偏見が問われ、観客の予想を裏切る高潔なユダヤ人の旅人とドイツ人の男爵との友情が描かれている。後の傑作『賢者ナータン』との萌芽とも言うべき斬新な喜劇である。
| 著者 | 著者:ゴットホルト・エフライム・レッシング 訳者:小林英起子 |
|---|---|
| 出版社 | 株式会社 同学社 |
| 出版年月 | 2025年9月10日 |
| ISBN | 978-4-8102-0344-8 |
| 値段 | 定価 3,520円(本体 3,200円+税) |
| 種類 | 単著 |
本書についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
広島大学大学院人間社会科学研究科
小林 英起子
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