第44回荒川賢治准教授

バイオのつぶやき第44回荒川賢治准教授「Eternity」
荒川賢治准教授
荒川 賢治 准教授

細胞機能化学研究室

(2019年7月)

 大学教員になってから外国人の方々と研究を展開しており、今までに7名の大学院生と2名の研究生、5名の研究員を受け入れてきました(令和元年7月現在)。

中華人民共和国

 赴任してすぐお世話になった博士研究員は、中国の方でした。東京大学で博士の学位を取得された後、我々の研究室にきてくれました。滞在期間は1年間でしたが、日本語も流暢で、大学院生に国際的な感覚を植えつけてくれた存在だったと思います。その後は中華人民共和国から大学院生が4名、研究生が2名入学しました。そのうち2名は博士の学位を取得し、母国に帰国してそれぞれ大学および企業で研究に従事しています。2名の博士との思い出は、2009年に上海で行われた国際放線菌学会 (International Symposium on Biology of Actinomycetes; ISBA) です。宿泊の手配、会場への誘導などを含め、大変お世話になりました。放線菌を含めた微生物二次代謝産物の生合成研究が世界的に盛んになっていますが、この学会でも中国のパワーをひしひしと感じていたのは私だけではなかったと思います。この時が自分にとって初めての中国でしたが、今までに計5回(上海3回、廈門、広州各1回)中国を訪ねる機会があり、今後も切磋琢磨できたらと思っています。

 

インドネシア

 2007年に研究生が入学し、それから現在まで途切れることなくインドネシアの方が在籍しています。非漢字圏でありますが、会話での日本語コミュニケーションは流暢で、大学院生はもちろんのこと、学部生にとっても他国の同年代学生と交流できることは、掛け替えのない時間だったのではないかな、と思います。英語も堪能なので、日本人大学院生の国際学会発表の練習にも付き合ってもらいました。
 2018年度には2名の大学院生が博士課程前期を修了しました。出身はジャワ島とスラウェシ島であり、習慣の違いなど色々と聞くことができました。この6月に後者学生の母校に招待講演(基調講演)で呼ばれたのは印象深い出来事でした(写真)。今回が初めてのインドネシア来訪であり、飛行機関係で多少のトラブルはあったものの、講演時には関係者各位に大変お世話になりました。この場を借りて感謝いたします。また、卒業学生には送迎を含め大変お世話になりました。博士課程後期進学を含め、再会を誓い合いました。もう一名の卒業生の母校にも招待されたため、近いうち(来年度?)2度目のインドネシア来訪を実現したいと思います。

 

2019年6月に行われたインドネシア・マカッサル州立大学での基調講演

写真1 2019年6月に行われたインドネシア・マカッサル州立大学での基調講演

エジプト

 いつか行ってみたい国の一つに、エジプトがありました。エジプト人研究者との国際共同研究を2014年から展開していましたが、2018年度に日本学術振興会・二国間共同研究に採択されました。本研究費は二国間のface-to-faceの人的交流を指向したものであり、2年間交互訪問を行うことになりました。まさか、招待講演でエジプト訪問が実現するとは、夢にも思いませんでした。昨年12月5日にカイロのAin-Shams Universityにて日本・エジプト国際シンポジウムを開催(写真)し、そのあとJSPSカイロ研究センターにて講演 (http://jspscairo.com/activity/konwakai/) を行いました。また、ピラミッドも見学しました。まさに「世界ふしぎ発見」の世界が広がっておりました。

2018年12月に行われた国際シンポジウム(カイロ・Ain Shams 大学)

写真2 2018年12月に行われた国際シンポジウム(カイロ・Ain Shams 大学)

まとめ

 国際的研究を展開した結果、卒業生の母国を含め、いろんな国に訪問することができました。研究室の学生さんたちと一緒に国際学会などで見聞を深めていけたらと思います。博士学位を取得した学生さんにはぜひ外国留学を目指してもらい、その国・都市を訪問するのが、教員としての最高の喜びです。また、本年7月に参画した日本学術振興会・日中韓 (Asian 3; A3) フォーサイト事業・第4回国際シンポジウム(上海)(http://a3-chemical-biology.jp/) での講演で、以下の写真を紹介させてもらいました。ポスドク時代の恩師を囲んだ国際シンポジウム(2009年)の一枚ですが、60名を超える日中韓の大学院生に「Eternal friendshipは将来の自分の宝になりますよ」とメッセージを送らせてもらいました。今後三国の交流がさらに進展し、研究の深化と学生同士の交流も盛んになってもらえたらと思います。

2009年8月に行われた国際シンポジウム(廈門)

写真3 2009年8月に行われた国際シンポジウム(廈門)


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