法学部FAQ
(入試説明会などでよく尋ねられる質問(Frequently Asked Questions)に対する回答です)
Question1: 「法学部はつぶしがきく」という表現をよく耳にしますが、どういう意味なのでしょうか。
Question2: 法学部に入学するからには、司法試験を受験したいと考えています。司法試験について教えて下さい。
Question3: 公務員志望です。公務員になるには法学部が有利だと聞いていますが、本当にそうなのでしょうか。
Question4: 「法学部では卒論がない」という話を聞いたのですが、本当ですか。
Question5: 授業はどこで受けることになるでしょうか?
Question6: どのような授業形態で行われますか?
Question7: 東千田キャンパスの施設について知りたいです。
Question8: 法学部の入試について知りたいです。
Question9: 海外留学するにはどのような制度がありますか。
Question10:法学部のキャリア支援について知りたいです。
Question1: 「法学部はつぶしがきく」という表現をよく耳にしますが、どういう意味なのでしょうか。
Answer 1: 法学部卒業生は実社会の様々な部門で必要とされ、その就職先が非常に広範囲にわたっているということです。
法学部で学んだことを直接活かすことのできる専門法律家(裁判官、検察官、弁護士、司法書士など)をはじめとして、法律にのっとって組織され運営されている行政の分野でも、国家公務員や地方公務員として働く、多くの卒業生がいます。
また法学部の卒業生は、業種を問わず様々な民間企業にも就職しています。それは企業が経済活動を行い、経営の様々な部門を管理・運営するにあたって、法的素養を身につけた人材を必要としているからなのです。
新聞、テレビ、出版などの現場で働くマスコミ関連業界でも、社会正義の感覚を身に付け、社会現象を分析的に見ることのできる目を持った人材が必要とされています。法学部卒業生は、そのような職場にも適任です。その他、大学院に進学して研究者・大学教員になる道も開かれています。
法学部で過ごす4年間は、こうした多様な学生の知的関心や必要性に応じるため、学生の自主性を尊重できるような履修制度として、科目履修の自由選択枠を最大限に確保しています。必修科目の枠にとらわれることなく、自分の興味関心、理解の深度に応じた勉強が、自由にできるようになっています。
1、2年生の間はしっかりと基礎固めの勉強をし、3年生以降は各自の興味関心と進路希望に応じた専門科目を受講し、ゼミでは教員や友人と議論を戦わせ、より深く専門的に学び、知識と能力を十分に身につけて、社会に旅立ちましょう。
Question2: 法学部に入学するからには、司法試験を受験したいと考えています。司法試験について教えて下さい。
Answer 2: 司法試験を受験するには、法学部卒業後、原則法科大学院に進学し修了(法学既修者コースは2年間,法学未修者コースは3年間)する必要があります(法科大学院に進学する時間的・経済的な負担をせず法律家を目指せる、もう一つのルートとして司法試験予備試験もあります)。司法試験の科目は,短答式(憲法、民法、刑法)の3科目、論文式(公法系科目、民事系科目、刑事系科目、選択科目)の4科目です。
本学法学部の法曹コースとなる「法曹養成プログラム」は、法科大学院と連携して、法科大学院既修者コースとの一貫教育を可能にする法曹養成のための教育プログラム(主専攻プログラム)であり、学部段階で法科大学院1年次に相当する基礎的な法律知識や能力などを早期に修得できる教育課程もあります。これにより、従来の標準型課程(学部4年+法科大学院3年)の場合より2年早く、最短5年(学部3年+法科大学院2年)で司法試験を受験し合格を目指すことが可能となり、法曹資格取得までの時間的・経済的負担の軽減が見込まれます。
法学部を卒業後、法科大学院で、法律の知識を磨き、実践力を高め、試験に臨むことになります。
Question3: 公務員志望です。公務員になるには法学部が有利だと聞いていますが、本当にそうなのでしょうか。
Answer 3: 広島大学法学部からは、国家・地方公務の現場に、多くの卒業生を送り出しています。
公務員には、
・国家公務員…国の公務を担当する。
・地方公務員…地方自治体(都道府県、市町村)の公務を担当する。
があり、それぞれの省庁や自治体が行う公務員採用試験を受けることになります。これらの試験は公開平等の競争試験であって、受験資格としては年齢制限があるだけで、学歴・性別を問わず、まったく実力主義の原則に基づいています。
法学部の学生にとって受験しやすいのは、各公務員試験の「行政」という試験区分です。この試験区分では、専門試験の問題が、法律学や政治学の分野から出題されるため、4年間の間にみっちりそれらの科目を履修してきている法学部の学生が有利なのです。また、そもそもこの試験区分・職種の採用人員が、他のそれと比べて圧倒的に多いから、という理由もあります。
このように公務員は、法学部卒業生を大量に必要としている職業であるとも言えるのです。
進路・就職のページもご参考ください。
Question 4: 「法学部では卒論がない」という話を聞いたのですが、本当ですか。
Answer 4: 確かに法学部では、卒業の条件として卒業論文を提出しなければならないという制度はとっていません。多くの4年次の法学部生が、公務員試験の準備や法科大学院の試験準備に多くの時間を割かなければならないという、学部固有の事情によるものです。
しかし、4年間の勉強の集大成として、自分の問題関心に沿って調べたり考えたりし、一定の長さの文章をまとめておくという作業は、大変に貴重な体験です。そこで法学部昼間コースでは、「演習1~4」を履修した学生が自発的に卒業研究に取り組む科目として「統合科目」を提供しています。
さらに、法学会による「懸賞論文」制度を設けて、論文に取り組んでみようという学生の意欲をサポートしています。
したがって、学部全体の制度として卒論を強制的に書かせることはありませんが、学生が論文をまとめたいと希望すれば指導を受けられますし、また演習(ゼミ)によっては論文の作成・提出を要求することもある、ということです。
演習(ゼミ)について、詳しくはこちらもご確認ください。
Question5: 授業はどこで受けることになるでしょうか?
Answer 5:
【昼間コース】
1年生は教養教育科目を主として履修し、週に1日程度東広島キャンパスへ、週に2~3日霞キャンパスで、週に1日程度東千田キャンパスで授業を受けます。
※「初修外国語(選択必修)」は入学手続き時に言語を選択します。中国語を除く「インテンシブ外国語(自由選択科目)」履修希望の場合、週4回東広島キャンパスで授業を受けることになります。詳細は、「【入学時】「初修外国語」選択における注意事項」もご確認ください。
2年生以降の法学部専門教育科目は、すべて東千田キャンパスで開講するため、基本的に東千田で授業を受けることになります。
●「インテンシブ外国語」を取らない場合の時間割の一例です。
【夜間主コース】
夜間主コースで開講される授業は、教養教育科目も専門教育科目もすべて東千田キャンパスで開講します。
1年生は教養教育科目を主として履修し、2年生以降は法学部の専門教育科目がメインになります。
夜間主コースは18時以降の授業になりますが、9・10時限(16:20~17:50)に昼間コースと同時開講の科目もあります。
また、40単位まで昼間授業時間帯の科目を卒業要件単位にすることができます。
● 夜間主コースで開講される授業はすべて東千田キャンパスで開講します。
Question6: どのような授業形態で行われますか?
Answer 6: 広島大学では、原則「対面」で授業は行われます。授業の多くは講義形式で実施されますが、少人数のアクティブ・ラーニングもあります。
1年次の「教養ゼミ」では担当する教員の専門分野に応じて、社会科学の世界に触れ、ディベートやプレゼンテーションを体験するなど、積極的に自己学習する方法を学びます。
2年次の「基礎演習」では講義で得た基礎的知識を使いこなせるように訓練します。例えば、法律系の基礎演習では、判例・事例を素材として、受講生の報告に基づき、理解を深めます。また、政治・社会学系の基礎演習も実施されます。詳しくは、シラバスでご確認ください。
3年次・4年次では「専門演習(ゼミ)」に所属して、特定の分野で実践力を鍛えます。ゼミの詳しい紹介は、こちらもご覧ください。
Question7: 東千田キャンパスの施設について知りたいです。
Answer 7: 東千田キャンパスは法学部のほか、経済学部夜間主コース、大学院「法学・政治学プログラム」「ソーシャルデータサイエンスプログラム」「マネジメントプログラム」、法科大学院があります。
法学部の学生は、主に授業を受ける「未来創生センター」、その1階にある自習スペースのBIBLA Sendaをよく利用することになるでしょう。空いた時間は、東千田図書館や食堂「東千田プナナダイニング」、研究棟である慎思棟(しんしとう)5階のSENDA LAB.など様々な場所で過ごしています。
東千田キャンパス内に体育室や課外活動施設などもあり、様々なサークルが活動しています。
東千田キャンパスマップはこちらをご確認ください。
Question 8: 法学部の入試について知りたいです。
Answer 8: 法学部では、一般選抜(前期日程)、広島大学光り輝き入試(総合型選抜Ⅰ型,Ⅱ型,国際バカロレア型,社会人型,フェニックス型,外国人留学生型2月実施)、3年次編入学試験を実施しています。コースによっては実施していない選抜もあります。詳細は募集要項でご確認ください。
試験会場は、東千田キャンパスです。
募集要項等の詳細は、入試のページをご確認ください。
※令和8年度入学生(令和7年度実施)より、広島大学光り輝き入試(総合型選抜Ⅰ型)を開始し、一般選抜(後期日程)、広島大学光り輝き入試(外国人留学生型3月実施)を廃止します。
Question 9: 海外留学するにはどのような制度がありますか
Answer 9: 休業期間中に1週間から1か月間、海外大学を訪問し異なる文化環境を体験することで、国際交流や長期留学への関心を高めることを目的とするプログラム「STARTプログラム」などがあり、法学部の学生も多数参加しています。
長期で海外留学をしたい方は交流協定に基づき、広島大学に在籍しながら派遣先大学において1学期または1年間現地の学生と同じ授業を受講する交換留学(HUSA型)プログラムや、法学部が部局間交流協定を締結している西南政法大学(中国)や外交学院(中国)、崇実大学(韓国)などへの派遣もあります。
法学部が部局間交流協定を締結している大学に6か月または1年間留学を希望する場合、留学先の授業料はかからず、宿舎を手配していただけます。
広島大学の留学プログラムについては、広島大学学生情報の森もみじ>学びのサポート>留学をご確認ください。
法学部交流協定を結んでいる大学への派遣については、こちらもご参照ください。
長期で海外留学を検討している方の、法学部(昼間コース 公共政策プログラム/ビジネス法務プログラム)のモデルケースは、こちらです。
Qustion10:法学部のキャリア支援について知りたいです。
Answer 10:法学部では、1年生の段階で”働く”ということについての明確な意識を持ってもらうために、広楓会主催の「卒業生と在校生の懇談会」で身近な先輩方の話を聞く機会を設けています。
また、広島大学では、学部1年次生全員が学外の企業・団体等での社会体験、就業体験、ボランティア等を行う「初年次インターンシップ(社会体験)」を実施しています。
2025年度、法学部初年次インターンシップを、「広島地方裁判所」と「広島平和記念資料館」で実施いただきます。「広島地方裁判所」を訪ねるグループは、裁判所の役割を学び、裁判を傍聴することで法曹を身近なものとして経験し、「広島平和記念資料館」を訪ねるグループは、広島市の方にお話を伺い、平和について考える予定です。
2、3年生以上になると、法学部ゼミ連による「公務員」、「民間企業」、「法科大学院進学(法曹)」の3つに分かれた進路懇談会が実施され、先輩からより具体的な話を聞くことができます。
また、グローバルキャリアデザインセンターが全学のキャリア支援を行っており、様々なガイダンスや支援が行われています。
2025年度から東千田キャンパスで「キャリア相談」を受けることができるようになり、就職活動の流れ、自己分析、ES添削、面接練習や、留学する場合の就活、公務員・教員と民間企業との併願、進学か就職か迷っているなど、就職活動や進路選択に関するさまざまな相談ができます。