行政法ゼミ紹介(2017年)

教員から

「行政法の世界へ」

 行政法の考察対象となる法令は数多あります。例えば、行政通則法としては、行政手続法・行政手続条例、行政不服審査法、行政機関情報公開法・情報公開条例、行政機関個人情報保護法・個人情報保護条例などがあり、こうした通則法のほかにも個別に行政と私人の関係を規律する法令が考察対象となります。このように考察対象となる法令が数多存在することは、行政法の一つの特長といえるかもしれません。

 行政法・折橋ゼミでは、一見つかみ所のないような行政法の世界から、様々な「行政」における課題を中心として、ゼミ生各自が具体的なテーマを決めて深掘りし、ゼミ論文を書いています。過年度のテーマは、公共交通の衰退阻止、高齢者運転免許返納制度、過疎地域振興、空き家対策、無縁墳墓問題、マイナンバー制度、終末期医療、食品表示、住民訴訟などなど多岐にわたりますが、例年力作が揃います。

 テーマこそ様々ですが、実際にそれらに関する個別法の立法経緯や解釈問題、政策課題等を勉強し、皆で検討を進め、それを基に各自熟考し法学論文にまとめたという経験は、成果物としてのゼミ論文集と併せ、「法学部で一つ頑張った」と胸を張れる、そんな成功経験となるのではないでしょうか。

(折橋洋介)

写真はゼミの様子です。

折橋ゼミの様子

学生から

 私たち折橋ゼミは、少人数ならではの和やかな雰囲気で行政法について学んでいます。行政法は行政主体としての国家と行政客体としての私人との関係について考察していく学問ですが、視野を広げて見てみると私たちの生活の至る所に行政法が関わっていることがわかります。

 前期ではゼミ生が教科書の内容をまとめて発表し、行政法の基礎の理解に努めています。後期以降は各自興味関心があることをテーマに法学論文の執筆に取り組み、毎年ゼミ論文集を作成しています。また、ゼミ生が主体となって、関心の強い行政機関等への訪問を企画し、実際に現場で働いている方の生の声を聞く機会もあります。

 ゼミ担当の折橋先生は、様々な経験を交え、行政法の分野のみならず幅広い事柄を教えてくださるのでお話を聞くのが非常に楽しいです。

 学部で学ぶ4年間はあっという間ですが、ゼミではゼミだからこそできる主体的な学びで濃い時間を過ごすことができます。学びたい、やってみたいと思うことが実現できる場所に身を置いていることを誇りに思い、勉強に励む日々です。

(東 結菜・大分県立臼杵高等学校卒)


up