分子内科学

岩本 博志 教授

【研究キーワード】
(呼吸器内科グループ)
気管支喘息の新規炎症病態、気管支喘息と身体活動性、PAI-1と難治性呼吸器疾患、肺線維症と骨髄、電子聴診器、HMGB1と肺障害、大久野島毒ガス傷害研究

(内分泌・糖尿病内科グループ)
在米日系人医学調査、原発性アルドステロン症、褐色脂肪細胞、糖尿病遠隔医療

【最近のハイライト】
(呼吸器内科グループ)
・第6代教授として岩本 博志 教授が就任(2026年5月)
・令和8年度AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の臨床研究・治験推進研究事業に採択され、局所進行非小細胞肺がんに対する新たな治療法の医師主導治験を開始

研究者総覧へのリンク

【研究室主要論文】
・Brain-Derived Neurotrophic Factor Levels Are Associated with Depressive Symptoms in Patients with Asthma J Allergy Clin Immunol Pract. 2025 Nov 11.
・Plasminogen Activator Inhibitor-1 Mediates Tolerance to Anti-PD-1 Immunotherapy in Non-Small Cell Lung Cancer Mol Cancer Ther. 2025 Nov 6. 
・Systemic miR-26a deficiency attenuates pulmonary fibrosis via PTEN upregulation and downstream TIMP-1 suppression Mol Ther Nucleic Acids. 2025 Nov 5;36(4):102765.
・The clinical potential of HMGB1 for the risk assessment of severe checkpoint inhibitor pneumonitis: A prospective multicenter study (CS-Lung004) Eur J Cancer. 2025 Aug 26:226:115606.

【教育内容】
(呼吸器内科グループ)
呼吸器疾患は腫瘍性疾患(肺癌など)、アレルギー疾患(喘息など)、自己免疫疾患、感染症からいわゆる生活習慣病(COPD、閉塞性睡眠時無呼吸症候群など)まで非常に多岐にわたる。それぞれの分野で高い専門性が求められる一方で、多彩な疾患分野に対する幅広い知識と経験が求められる。当教室では、多くの関連施設と連携して、基本的で応用の利く医療技術を幅広く習得でき、更に呼吸器内科医として必須の技術を身に付ける専門研修プログラムを組んでいる。

(内分泌・糖尿病内科グループ)
内分泌代謝疾患とは「ホルモンの異常によってもたらされる病気」であり、各種ホルモンの分泌臓器は全身に分布し作用する組織も広範である。それら疾患は糖尿病や脂質異常症のような患者数の多い疾患から稀な疾患まで多岐にわたる。全身に症状や徴候が出現しあらゆる診療科との関連があるため、臨床医としては正しい知識を習得する必要がある。
多岐にわたる内分泌代謝疾患についての理解を深め、臨床医にとって基本的な知識を習得することが目標に教育を行っている。

研究内容
(呼吸器内科グループ)
1.気管支喘息の新規炎症病態に関する研究気管支喘息を「全身性の炎症ネットワーク異常」として捉え直し、新規炎症プロファイルを解明してきました。気管支喘息の包括的・個別化医療への応用を目指しています。

2.気管支喘息と身体活動性に関する研究リアルワールドデータを用いて、気管支喘息の多様なフェノタイプが患者の身体活動性にどのように影響するかを明らかにしてきました。

3.Plasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1)に関する研究線溶系阻害因子であるPAI-1が、間質性肺炎や気管支喘息、肺癌といった多岐にわたる呼吸器疾患の病態形成において中心的な役割を担っていることを解明してきました。現在は、これまでの知見を治療へと繋げるべく、PAI-1阻害薬の臨床試験を自ら主導しており、その社会的な臨床実装を目指しています。 

4.肺線維症と骨髄に関する研究「肺局所の病変」と考えられがちだった肺線維症に対して、「肺と骨髄がクロストークして病態を悪化させる」という全く新しい全身性のメカニズム(Lung-Bone Marrow Axis)を提唱してきました。

5.電子聴診器を用いた聴診研究医師の経験と耳に委ねられてきた聴診という技術を「AIによる客観的数値化」で定義し、CTのように放射線被曝の心配がなく、呼吸機能検査よりも簡便に実施できる「非侵襲的でリアルタイムなモニタリングツール」としての活用を目指しています。

6.High mobility group box-1 (HMGB1)と肺損傷細胞の損傷や壊死に伴って放出される危険信号分子であるHMGB1が、間質性肺炎や、肺癌に対する化学療法・免疫療法に関連した肺障害にどのように関わるかを明らかにしてきました。HMGB1の測定を診療に組み込むことで、致死的な肺損傷を未然に回避しつつ、治療を安全に提供することを目指しています。

7. 毒ガス傷害者に関する研究竹原市大久野島の旧陸軍毒ガス製造工場で毒ガスに暴露された旧工員などのいわゆる毒ガス傷害者を対象としたコホート研究を初代和田教授の代から継続して行い、数多くの報告をまとめてきました。

(内分泌・糖尿病内科グループ) 研究内容の詳細はこちら
1.在米日系人医学調査「ハワイ-ロサンゼルス-広島スタディ」
遺伝素因は純粋な日本人でありながら米国式の生活習慣である日系米人と、同時期の広島在住日本人の調査成績とを比較分析することにより、生活習慣の欧米化という環境要因の変化が日本人の疾病構造に与える影響について報告しています。

2.副腎皮質機能低下症に関する研究
生きていくために必要なホルモンであるACTH、コルチゾールの合成・分泌に関わる研究を行っています。

3.褐色脂肪細胞と全身の代謝に関する研究
褐色脂肪細胞の分化や機能制御に関する研究を細胞実験や動物モデルを用いて行っています。また、褐色細胞腫や甲状腺機能亢進症といった病態を詳細に検討することで褐色脂肪細胞が全身の代謝に与える影響につき理解を深め、将来的には肥満や糖尿病といった様々な代謝疾患の治療に褐色脂肪細胞を役立てることを計画しています。

4.IoTやICTを活用した糖尿病遠隔医療
広島県の糖尿病医療過疎(糖尿病専門医不在)地域のかかりつけ医療機関に通院する糖尿病患者に対して、IoTやICTを活用したネットワークシステムを構築し、広島大学「ひろしまDMステーション」から生活習慣の遠隔介入(食事や運動の遠隔指導)を行う研究を推進しています。非専門医の糖尿病治療を補完し、県内全域に質の高い均一化した糖尿病医療を提供することを目的としています。

【写真説明】 年2回程度開催中のクイズ形式のセミナー
コロナ禍でも現地参加とオンライン参加のハイブリッド形式で開催しました。

【写真説明】 2015年8月ロサンゼルスにて第23回目となる検診を行いました。
写真は検診会場の広島県人会館前。


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