外科学

高橋 信也 教授

【研究キーワード】
心房細動、脊髄虚血、膵胆道癌、周術期化学療法、circulating cell-free DNA、炎症性腸疾患、神経芽細胞腫、小児肝がん、ウィルムス腫瘍

【最近のハイライト】
①心臓血管外科部門
急性大動脈解離に対して、最近はステントグラフトを応用した治療も可能となり、負担の少ない、安全な治療が行えるようになってきています。傷ついた血管内にステントで自己拡張する人工血管を埋め込むステントグラフト治療により患者さんの負担を減らすことができるようになりました。
②消化器外科部門
広島大学病院 第1外科 肝胆膵外科グループでは、主に膵臓、胆道および肝臓の3臓器に生じる疾患の治療をメインテーマとし、特に膵癌、胆道癌の外科治療を中心に力を入れて診療を行っております。広島大学病院は、日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医修練施設(A) 認定施設で、広島県下に5つある修練施設(A)の1施設で、広島県下の肝胆膵外科の中心的役割を担っています。修練施設(A)は、高難度肝胆膵外科手術を、年間50例以上行っている施設で、当グループは、広島県内5認定施設のうちの1施設です。
③小児外科部門
日本小児肝がんスタディーグループ(JPLT)研究事務局:日本の小児肝がんの臨床試験を中心となって行っています。日本神経芽腫スタディグループ、日本ウィルムス腫瘍スタディグループ、日本横紋筋肉腫スタディグループ、などに登録しており、臨床研究として臨床試験の施行が可能です。また、胆道閉鎖症に関しても、臨床試験を行うことが可能となっています。

研究者総覧へのリンク

【教育内容】
 第一外科教室の大きな特色は、心臓血管外科、消化器外科、小児外科の3つの主要な外科診療科をもつ大講座であるという点です。
 診断や治療方針の検討は各グループでのカンファレンスで行い、チーフ・サブチーフの指導のもと診療にあたっています。第一外科全員の合同カンファレンス(術前術後カンファレンス 火・木曜)を行い、各グループのスペシャリストの立場から症例検討を行い、治療方針の最終決定を行い、また術後経過の報告を行います。また、内科・病理部門と連携して、院内の総合カンファレンスを定期的に主導しています。
 日頃から、若手医師に出来るだけ多くの臨床経験を積む機会を提供できるように配慮し、専門医・指導医資格を持つスタッフがマンツーマンで指導・助言を行っています。希望に応じて心臓血管外科、消化器外科、小児外科の3つの診療科の各グループで臨床研修が可能です。
 初期研修終了後早期に外科学会専門医資格が取れるよう体制を整えています。専門医の取得には、心臓血管外科・消化器外科のほか、呼吸器・小児などの外科領域の手術、周術期管理と外科臨床に伴う検査、麻酔技術の修得を目標とした臨床研修が含まれます。
  第一外科教室は、胸部心臓血管外科、消化器外科、小児外科の3つの外科診療科がございますので、必須とされる手術経験をすることが容易で、スムーズに専門医資格を取得することが可能です。
 外科学会認定の修練指定施設および関連施設において外科学会専門医取得に必要な手技、経験項目をクリアできるようカリキュラムを組んでいきます。
  また、積極的に学会発表を行う機会、論文作成を行う機会を提供します。
 自ら経験した症例を中心に学会発表を行い、可能な限りそれを論文として投稿していただきたいと思います。学会発表・論文投稿するころは、症例についてまとめる力、表現する力を養うとともに、疾患についての理解をさらに深め、貴重な経験となると考えています。

【研究内容】
①心臓血管外科部門
 開心術術後における心房細動発症についての研究
 心臓手術後心房細動の疫学的研究
 脊髄虚血に対する臨床研究(開胸/開腹手術)
②消化器外科部門
 膵胆道癌に対する周術期化学療法
 膵癌における傍大動脈リンパ節micrometastasisの予後への影響について
 膵癌を対象としたcirculating cell-free DNAの研究
 膵臓手術後の膵臓外分泌機能評価~長鎖脂肪酸中性脂肪による13C呼気試験~
 炎症性腸疾患に関する疫学研究。
③小児外科部門
 神経芽細胞腫に関する研究
 小児肝がんに関する研究
 ウィルムス腫瘍に関する研究

【写真説明】 ハイブリッドOP室でのステントグラフト内挿術

【写真説明】 術前カンファレンスの様子


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