生体運動・動作解析学

高橋 真 教授

【研究キーワード】

動作解析、姿勢制御、運動制御、転倒、睡眠

【最近のハイライト】

1.睡眠と身体機能の関連性を検討しています(日本職業・災害医学会会誌 62(1): 44-50 2014,)。

2.ヒトの運動時の心拍数調節における自律神経の役割を検討しています(Experimental Physiology 101(3): 397-409, 2016 doi:10.1113/EP085420)。

3.変形性膝関節症の方は椅子から立ち上がる動作では、下肢筋にどのような筋活動を示すかを周波数解析によって明らかにしようとしています(PLoS One 11(1): e0147496, 2016)。

4.妊婦の動作解析では、妊娠週数の経過に従った慣性変数を用いるべきであるとの提言を行っています(Applied Ergonomics, 2016.印刷中)。

研究者総覧へのリンク

教育内容
【学部】「人の動き」、補装具による「人の動きの制御と補償」を、力学的概念の理解を深めることに重点をおいて教授しています。さらに「生活環境制御学」「地域理学療法学」「老年期障害学」をとおして、高齢者や身体に障害を負った方々への理学療法アプローチを教授しています。
講義には英語、および教英語材を積極的に導入し、力学に縁のなかった学生にも苦手意識が生まれないように配慮しています。
【大学院】「生体運動・動作解析学特別演習」「生体運動・動作解析学特講演習」等の科目を通じて、人の姿勢制御と運動制御制御を理解し、臨床の実際とリンクした研究内容をもつ修士論文、博士論文の完成へと進められるよう指導しています。

研究内容
私たちは、健常者や健常高齢者のほか、障がいを持った方々の日常活動の成り立ちや特性を、運動力学および運動学的な観点から解析しています。解析する日常活動には、たとえば歩行や走行、椅子からの立ち上がり動作などがありますが、これらはいずれも日常生活で最も一般的に行われている動作です。解析は3次元動作解析システム、床反力計、加速度計などを用いて行われます。また、バイオメカニクスの観点からデータ解析によって得られた研究結果を、新たな治療法の開発によるリハビリテーションに応用するだけでなく、身体を思うままに動かすことのできない方々のQOL(生活の質)の向上にも活かしています。このほかにも、先見的なビジョンによる健増進戦略の開発、反復される動作によって生じる傷害や能力障害の予防にも携わっています。

【写真説明】 床反力計と3次元動作解析装置を利用した動作解析
(A) 赤外線カメラ、(B) 歩行、(C) 走行、(D) 円背姿勢のシミュレーションによる跨ぎ動作、(E) データの取込

【写真説明】 補装具学演習の授業の模様
(A) 模擬体験義足による歩行、(B) 短下肢装具用ギプス採型


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